研究者詳細 - 鵜飼　渉

ヒト死後脳の神経細胞におけるLINE‐1プロモーターのエピジェネティック修飾状態の検討

渡邊理紗, 文東美紀, 上田順子, 村田唯, 石井貴男, 鵜飼渉, 橋本恵理, 笠井清登, 清水史郎, 加藤忠史, 岩本和也

日本生物学的精神医学会(Web) 41st 43 (WEB ONLY) 2019年

多学科合同の地域医療実習が医学部1年生のプロフェッショナリズム涵養に与える影響

山本武志, 山本武志, 鵜飼渉, 杉村政樹, 相馬仁

医学教育 49 ( Suppl. ) 132 2018年07月

深い学びの要ディープコミュニケーションとは何かどことどこで会話をしているのか

鵜飼渉, 辻野華子, 杉村政樹, 木川昌康, 田山真矢, 石井貴男, 古瀬研吾, 廣瀬奨真, 橋本恵理, 澤田いずみ, 山本武志, 白鳥正典, 河西千秋, 相馬仁

医療人育成センター紀要 ( 札幌医科大学医療人育成センター ) 9 35 - 43 2018年03月

言語・非言語社会的コミュニケーション障害の脳病態について概説し、扁桃体機能に及ぼすオキシトシンの影響について述べた。感情の認知において、眼窩前頭皮質(OFC)は相手の感情表現が重大なシグナルを発しているかどうかを判断する責任領域である。扁桃体は動物とヒトの両方で感情的および社会的行動に重要な役割を果たす。社会的認知プロセスにおけるオキシトシンの最も重要な役割は、扁桃体活性の調節であると考えられる。ディープコミュニケーションの実体は、動物と動物、動物と人間、人間と人間が用いることのできる非言語・社会性コミュニケーションであると考えられた。

道北離島地域における多職種連携の現状と取り組み

杉村政樹, 山本武志, 鵜飼渉, 白鳥正典, 相馬仁

医学教育 48 ( Suppl. ) 30 2017年08月

JSNP Excellent Presentation Award for CINP2016: Epigenetic Status of LINE-1 Promoters in Neurons and Non-neurons

Risa Watanabe, Masaki Nishioka, Miki Bundo, Yutaka Sawai, Junko Ueda, Yui Murata, Takao Ishii, Wataru Ukai, Eri Hashimoto, Kiyoto Kasai, Siro Simizu, Tadafiimi Kato, Kazuya Iwamoto

Japanese Journal of Neuropsychopharmacology 37 ( 3 ) 83 - 84 2017年06月

書評論文，書評，文献紹介等

ヒト死後脳を用いたシングルセルレベルのLINE‐1新規挿入同定の試み

文東美紀, 文東美紀, 文東美紀, 上田順子, 西岡将基, 清田恵美, 石井貴男, 鵜飼渉, 橋本恵理, 笠井清登

日本神経精神薬理学会プログラム・抄録集 47th 192 2017年

ヒト死後脳神経細胞LINE‐1プロモーター領域における非CpG部位のDNAメチル化状態の検討

渡邊理紗, 渡邊理紗, 西岡将基, 西岡将基, 文東美紀, 澤井大和, 澤井大和, 上田順子, 村井唯, 村井唯, 石井貴男, 鵜飼渉, 橋本恵理, 笠井清登, 清水史郎, 加藤忠史, 岩本和也

統合失調症研究 6 ( 1 ) 78 2016年03月

ヒト死後脳由来のニューロン・オリゴデンドロサイトを使用したシングルセルゲノム解析

文東美紀, 石井貴男, 鵜飼渉, 橋本恵理, 笠井清登, 加藤忠史, 岩本和也

日本生物学的精神医学会(Web) 38th 210 (WEB ONLY) 2016年

ヒト死後脳の神経細胞と非神経細胞におけるLINE‐1プロモーターのエピジェネティック修飾状態の検討

渡邊理紗, 渡邊理紗, 西岡将基, 西岡将基, 文東美紀, 澤井大和, 澤井大和, 上田順子, 村田唯, 村田唯, 石井貴男, 鵜飼渉, 橋本恵理, 笠井清登, 清水史郎, 加藤忠史, 岩本和也

日本神経精神薬理学会プログラム・抄録集 46th 243 2016年

【アルコール性臓器障害】アルコールと脳神経疾患

鵜飼渉, 辻野華子, 古瀬研吾, 木川昌康

細胞 ( (株)ニュー・サイエンス社 ) 47 ( 14 ) 693 - 696 2015年12月

アルコールによる脳障害と、うつ病の病態、および抗うつ薬の作用機序との間には、BDNFや小胞体ストレス、ERK系やNRSFシグナル伝達機構の変異という共通した生物学的基盤が存在し、それが、例えば患者の抗うつ薬応答性等にも関わる分子メカニズムになっていることが推察されている。アルコールの問題が背景にある患者群では、抗うつ薬の効果が有意に低下するとの臨床報告や、SSRIの中でも、特に高いBDNF産生促進効果を有することが知られるEscitalopramが、うつ病を併存したアルコール依存症患者のアルコール摂取量や渇望の低下に有効であったとの報告が複数なされ、基礎的・臨床的にその共通病態基盤の可能性が強く示唆されている。(著者抄録)

胎児期アルコール曝露と成長後のストレスを組み合わせた難治性うつ病モデルにおける神経幹細胞移植療法の有効性

鵜飼渉, 木川昌康, 石井貴男, 古瀬研吾, 辻野華子, 岩本倫, 田山真矢, 白石将毅, 橋本恵理, 河西千秋, 齋藤利和

アルコールと医学生物学 ( (株)響文社 ) 33 39 - 44 2015年03月

死後脳を用いた体細胞レトロトランスポジションの探索:患者試料解析に向けての予備的検討

西村将基, 文東美紀, 石井貴男, 鵜飼渉, 橋本恵理, 加藤忠史, 笠井清登, 岩本和也

統合失調症研究 5 ( 1 ) 137 2015年03月

ヒト死後脳神経細胞・非神経細胞ゲノムにおけるLINE‐1のハイドロキシメチル化状態の検証

澤井大和, 西岡将基, 文東美紀, 上田順子, 石井貴男, 鵜飼渉, 橋本恵理, 笠井清登, 加藤忠史, 岩本和也

統合失調症研究 5 ( 1 ) 138 2015年03月

COMBINED APPLICATION OF DRUG AND STEM CELLS FOR TREATING ALCOHOL-INDUCED BRAIN DAMAGE AND DEPRESSION

W. Ukai, Y. Kigawa, T. Ishii, K. Furuse, H. Tsujino, E. Hashimoto, T. Saito

ALCOHOL AND ALCOHOLISM ( OXFORD UNIV PRESS ) 49 2014年09月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

Stem cell therapy as a candidate treatment approach for neural plasticity change in alcohol-induced brain damage and depression

W. Ukai, Y. Kigawa, E. Hashimoto, T. Ishii, K. Fuluse, H. Tsujino, T. Saito

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( CAMBRIDGE UNIV PRESS ) 17 172 - 173 2014年06月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

抗うつ効果とBipolarityの診断の糸口を求めて血小板BDNF遊離機能の個体差のメカニズム解析から

橋本恵理, 鵜飼渉, 石井貴男, 木川昌康, 古瀬健吾, 辻野華子, 齋藤利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 ) ( 46 ) 50 - 51 2014年03月

統合失調症および双極性障患者死後脳を用いた神経細胞・非神経細胞でのDNAメチル化解析

上田順子, 文東美紀, 西岡将基, 橋本恵理, 鵜飼渉, 石井貴男, 笠井清登, 岩本和也, 加藤忠史

日本分子生物学会年会プログラム・要旨集(Web) 37th 3P-0187 (WEB ONLY) 2014年

抗うつ薬関連遺伝子Prg1は神経細胞の生存維持に重要な因子である

橋本富男, 山田美佐, 岩井孝志, 斎藤顕宜, 橋本恵理, 鵜飼渉, 齋藤利和, 山田光彦

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所年報 ( (国研)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 ) ( 26 ) 251 - 251 2013年09月

UNDERSTANDING OF MECHANISMS UNDERLYING BRAIN ABNORMALITY IN FASD AND ITS TRANSLATIONAL APPROACH

W. Ukai, E. Hashimoto, T. Shirasaka, T. Ishii, T. Yoshinaga, Y. Kigawa, M. Tateno, S. Kobayashi, T. Saito

ALCOHOL AND ALCOHOLISM ( OXFORD UNIV PRESS ) 48 19 - 19 2013年09月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

BASIC ASPECTS OF ALCOHOL USE DISORDER COMORBID WITH DEPRESSIVE DISORDER

E. Hashimoto, W. Ukai, T. Ishii, Y. Kigawa, T. Yoshinaga, K. Watanabe, T. Shirasaka, M. Tateno, S. Kobayashi, T. Saito

ALCOHOL AND ALCOHOLISM ( OXFORD UNIV PRESS ) 48 28 - 28 2013年09月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

統合失調症の成体脳神経産生機構に対する薬物・細胞投与の影響に関する研究

鵜飼渉, 金田博雄, 橋本恵理, 木川昌康, 白坂知彦, 石井貴男, 今井智之, 小林清樹, 吉永敏弘, 館農勝, 齋藤利和

統合失調症研究 3 ( 1 ) 2013年

【統合失調症の病態研究から創薬への展開】統合失調症の脳神経回路修復薬物・細胞コンバインド療法の可能性の検討

INTRAVENOUS NEURAL STEM CELL TRANSPLANTATION - A STRATEGY FOR FACILITATION OF NEURAL NETWORK AND BEHAVIORAL RECOVERY

T. Shirasaka, W. Ukai, E. Hashimoto, H. Kaneta, T. Igarashi, Y. Kigawa, K. Watanabe, T. Ishii, T. Yoshinaga, S. Kobayashi, M. Tateno, T. Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( WILEY-BLACKWELL ) 36 110A - 110A 2012年09月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

ALCOHOL, EPIGENETICS AND BRAIN DAMAGE

W. Ukai, T. Shirasaka, E. Hashimoto, H. Kaneta, T. Igarashi, M. Kigawa, K. Watanabe, T. Yoshinaga, M. Tateno, T. Ishii, T. Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( WILEY-BLACKWELL ) 36 57A - 57A 2012年09月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

BDNF AS A POTENTIALBIOMARKER FOR FETAL ALCOHOL EFFECTS- COMPARATIVE STUDY OF SERUM CONSENTRATIONS IN RAT MODEL

T. Igarashi, K. Watanabe, W. Ukai, E. Hashimoto, T. Shirasaka, H. Kaneta, Y. Kigawa, T. Ishii, T. Yoshinaga, S. Kobayashi, M. Tateno, T. Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( WILEY-BLACKWELL ) 36 120A - 120A 2012年09月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

鵜飼渉, 小野貴文, 橋本恵理, 金田博雄, 白坂知彦, 五十嵐健史, 木川昌康, 渡邊公彦, 吉永敏弘, 石井貴男, 館農勝, 小林清樹, 齋藤利和

日本生物学的精神医学会誌 ( 日本生物学的精神医学会 ) 23 ( 2 ) 109 - 114 2012年06月

FASDモデルに対する神経幹細胞移植療法の可能性神経回路再生と行動学的変化の解析

The effect of antipsychotics on GABAergic interneurogenesis in adult brain

W. Ukai, H. Kaneta, E. Hashimoto, T. Igarashi, T. Shirasaka, Y. Kigawa, K. Watanabe, T. Yoshinaga, M. Tateno, T. Ishii, T. Saito

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( OXFORD UNIV PRESS ) 15 138 - 138 2012年06月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

PROMISING THERAPY OF NEURAL STEM CELL TRANSPLANTATION FOR FASD MODEL - A NEW STRATEGY FOR NEURAL NETWORK RESCONSTRUCTION AND BEHAVIOR RECOVERY

T. Shirasaka, T. Yoshinaga, W. Ukai, M. Tateno, K. Watanabe, M. Kigawa, H. Kaneda, T. Igarashi, H. Ishikawa, E. Hashimoto, T. Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( WILEY-BLACKWELL ) 36 213A - 213A 2012年06月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

末梢BDNFは脳神経回路網変化にどう関わるか血小板BDNF遊離機構に焦点を当てて

橋本恵理, 鵜飼渉, 渡邊公彦, 白坂知彦, 金田博雄, 五十嵐健史, 館農勝, 吉永敏弘, 齋藤利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 ) ( 44 ) 67 - 68 2012年03月

統合失調症におけるメタボリック症候群発症予測マーカーの探索

館農勝, 鵜飼渉, 渡邊公彦, 久末伸一, 古橋眞人, 木川昌康, 中島公博, 齋藤利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 ) ( 44 ) 87 - 88 2012年03月

抗うつ薬関連遺伝子Rhotekinは神経分化を促進する

岩井孝志, 斎藤顕宜, 山田美佐, 高橋弘, 橋本富男, 橋本恵理, 鵜飼渉, 齋藤利和, 山田光彦

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所年報 ( (国研)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 ) ( 25 ) 233 - 233 2012年03月

白坂知彦, 鵜飼渉, 吉永敏弘, 渡邊公彦, 金田博雄, 木川昌康, 五十嵐健史, 館農勝, 橋本恵理, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 46 ( 6 ) 576 - 584 2011年12月

新たに社会性、認知注意機能など「社会脳」の変化に着目しFASDモデルラットを用いた経静脈的神経幹細胞移植による行動学的解析を行った。モデル動物として、妊娠ラットから健康正常ラット(対照)、病態(FASD)モデルラット、および神経幹細胞移植治療ラットを作製した。Social interaction test、Novel object recognition testなどの各種行動評価では対照群と胎児期アルコール暴露モデル群との間に著明な差を認め、経静脈的神経幹細胞移植において、障害が抑制される可能性が示唆された。また、PSD95を用いたシナプス発現量の評価において、コントロール群とFASD群との間で著明な発現量の減少を認め、経静脈的神経幹細胞移植において、抑制される可能性が示唆された。

Rhotekinは培養神経幹細胞の神経分化過程を調節する

岩井孝志, 斎藤顕宜, 山田美佐, 高橋弘, 橋本恵理, 鵜飼渉, 齋藤利和, 山田光彦

日本臨床精神神経薬理学会・日本神経精神薬理学会合同年会プログラム・抄録集 ( 日本臨床精神神経薬理学会・日本神経精神薬理学会 ) 21回・41回 167 - 167 2011年10月

PROMOTION OF INTERNEUROGENESIS BY NEURAL STEM CELL TRANSPLANTATION IN FASD MODEL

W. Ukai, T. Shirasaka, E. Hashimoto, T. Yoshinaga, H. Kaneta, M. Kigawa, T. Igarashi, K. Watanabe, M. Tateno, T. Ishii, T. Saito

ALCOHOL AND ALCOHOLISM ( OXFORD UNIV PRESS ) 46 43 - 44 2011年09月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

THE POSSIBLE THERAPEUTIC APPROACH FOR AMELIORATION OF ALCOHOL-INDUCED BRAIN DAMAGE

E. Hashimoto, W. Ukai, T. Yoshinaga, K. Watanabe, T. Shirasaka, H. Kaneta, M. Tateno, T. Saito

ALCOHOL AND ALCOHOLISM ( OXFORD UNIV PRESS ) 46 18 - 18 2011年09月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

【アルコール依存と併存症】気分障害

鵜飼渉, 橋本恵理, 齋藤利和

精神科 ( (有)科学評論社 ) 18 ( 6 ) 618 - 623 2011年06月

STEM CELL THERAPY: A NOVEL TREATMENT STRATEGY FOR FETAL ALCOHOL SPECTRUM DISORDER

T. Saito, T. Shirasaka, E. Hashimoto, W. Ukai, T. Yoshinaga, T. Ishii, M. Tateno, K. Watanabe, I. Watanabe, M. Kigawa, H. Kaneta

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( WILEY-BLACKWELL ) 35 ( 6 ) 38A - 38A 2011年06月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

ヒト死後脳ゲノムDNAにおけるLINE‐1配列のコピー数定量

文東美紀, 宮内妙子, 鵜飼渉, 橋本恵理, 齋藤利和, 笠井清登, 加藤忠史, 岩本和也

日本生物学的精神医学会誌 22 ( Supplement ) 119 2011年05月

【日本の生物学的ストレス研究の紹介】ストレスによる脳神経回路網変異障害と修復の分子メカニズム

Ethanol-Induced Growth Factor Dysfunctions in Neural Stem Cells: Implications to Stress

W. Ukai, E. Hashimoto, T. Ishii, M. Tateno, K. Watanabe, I. Watanabe, T. Shirasaka, H. Kaneta, M. Kigawa, T. Igarashi, T. Yoshinaga, T. Saito

ALCOHOL ( ELSEVIER SCIENCE INC ) 45 ( 3 ) 275 - 275 2011年05月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

鵜飼渉, 橋本恵理, 吉永敏弘, 白坂知彦, 渡邊公彦, 渡邉一平, 金田博雄, 館農勝, 石井貴男, 齋藤利和

ストレス科学 ( 日本ストレス学会 ) 25 ( 3 ) 167 - 177 2010年12月

近年の脳画像学的診断の発展によって,うつ病や,統合失調症,アルコールによる脳障害などの精神疾患の病理における,脳の形態学的な変化の関与が明らかとなってきた。脳の形態変化には,神経回路網の維持,すなわち既存の神経細胞の生存と,新たな神経細胞の産生(神経新生)の2つの脳機能変化が深くかかわっている。これまでに我々は,抗うつ薬や脳由来神経栄養因子(BDNF)を神経幹細胞へ処置することで,神経細胞への分化が促進されることを示すとともに,細胞分化運命決定因子(転写抑制因子NRSF/REST等)の活性変化について検討を実施し,その変化が,これらの薬物・栄養因子による神経回路網修復機構の細胞内メカニズムに直結している可能性について知見を重ねてきた。また,胎生期のストレス(ウイルス・アルコール)曝露による個体の認知・行動異常を改善させる新たな方法として,細胞療法の可能性について研究を進め,神経幹細胞の経静脈的移植が,胎生期ストレス誘発精神疾患モデル動物の行動異常を改善させることを明らかとしてきた。胎児性アルコールスペクトラム障害(FASD)モデル群を用いた検討では,障害モデル群において,新奇物質探索試験における記憶・認知機能,社会性相互作用試験における社会コミュニケーションの各機能に異常を認めた。そして,モデル動物に神経幹細胞を移植した群では,それらの異常が正常対照群に近いレベルへ改善されることを明らかとした。モデル動物に移植した標識神経幹細胞の一部は,移植から数ヵ月後に海馬,および扁桃体でGAD陽性の細胞に分化・成熟していることが観察され,行動改善のその効果が関連脳領域におけるGABA系インターニューロンの再生・増加に基づく可能性が推察された。(著者抄録)

うつ病の治癒メカニズムに重要な神経新生に関与するラット脳内機能分子の同定

山田美佐, 高橋弘, 鵜飼渉, 橋本恵理, 斎藤利和, 山田光彦

国立精神・神経センター精神保健研究所年報 ( (国研)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 ) ( 23 ) 249 - 249 2010年10月

STEM CELL THERAPY - SOCIAL FUNCTION RECOVERY IN FASD MODEL

T. Shirasaka, W. Ukai, E. Hashimoto, T. Ono, T. Yoshinaga, T. Ishii, M. Tateno, K. Watanabe, I. Watanabe, H. Kaneta, Y. Kigawa, T. Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( WILEY-BLACKWELL PUBLISHING, INC ) 34 ( 8 ) 98A - 98A 2010年08月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

STEM CELL REGULATION AS A NEW TREATMENT STRATEGY FOR ALCOHOLISM AND OTHER PSYCHIATRIC DISORDERS

T. Saito, E. Hashimoto, W. Ukai, T. Yoshinaga, T. Ishii, M. Tateno, T. Ono, T. Shirasaka, K. Watanabe, I. Watanabe

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( WILEY-BLACKWELL PUBLISHING, INC ) 34 ( 8 ) 72A - 72A 2010年08月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

ALCOHOL INDUCED NEUROGENETIC DYSFUNCTION: ROLES OF TRANSCRIPTION FACTORS AND EPIGENETIC REGULATION

W. Ukai, E. Hashimoto, T. Ishii, M. Tateno, T. Ono, K. Watanabe, I. Watanabe, T. Shirasaka, T. Yoshinaga, T. Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( WILEY-BLACKWELL PUBLISHING, INC ) 34 ( 8 ) 49A - 49A 2010年08月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

STEM CELL THERAPY AS A NEW TREATMENT STRATEGY FOR ALCOHOL-INDUCED BRAIN DAMAGE

T. Saito, E. Hashimoto, W. Ukai, T. Shirasaka, T. Ono, T. Yoshinaga, T. Ishii, M. Tateno, K. Watanabe, I. Watanabe, M. Kigawa, H. Kaneda

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( WILEY-BLACKWELL PUBLISHING, INC ) 34 ( 6 ) 215A - 215A 2010年06月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

精神疾患の経末梢的脳修復 GABAインターニューロン再生と社会コミュニケーションの回復

鵜飼渉, 小野貴文, 白坂知彦, 橋本恵理, 吉永敏弘, 石井貴男, 渡邊公彦, 渡邉一平, 館農勝, 齋藤諭, 齋藤利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 ) 42 ( 42 ) 41 - 42 2010年03月

The change of brain-derived neurotrophic factor (BDNF) and tyrosine kinase B (TrkB) receptor on platelet in depression

K. Watanabe, E. Hashimoto, W. Ukai, T. Ishii, T. Yoshinaga, M. Tateno, I. Watanabe, T. Shirasaka, H. Kaneta, Y. Kigawa, T. Saito

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( CAMBRIDGE UNIV PRESS ) 13 163 - 163 2010年

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

精神疾患患者死後脳におけるLINE‐1配列のコピー数定量

文東美紀, 宮内妙子, 鵜飼渉, 橋本恵理, 齋藤利和, 笠井清登, 加藤忠史, 岩本和也

生化学 ROMBUNNO.2P-0961 2010年

【気分障害の神経心理学】気分障害における神経回路網の修復再生と認知機能

Roles of nuclear receptor TLX in neural stem cell functions

I. Watanabe, W. Ukai, T. Ono, K. Watanabe, T. Shirasaka, E. Hashimoto, T. Ishii, M. Tateno, T. Saito

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( CAMBRIDGE UNIV PRESS ) 13 196 - 196 2010年

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

Stem cell therapy-functional recovery in a neurodevelopmental model of schizophrenia

E. Hashimoto, T. Ono, W. Ukai, T. Yoshinaga, T. Ishii, K. Watanabe, I. Watanabe, T. Shirasaka, M. Tateno, T. Saito

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( CAMBRIDGE UNIV PRESS ) 13 219 - 220 2010年

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

Effects of psychotropics on ER stress and its potential implication for the clinical effect

W. Ukai, E. Hashimoto, T. Ishii, T. Yoshinaga, M. Tateno, T. Ono, K. Watanabe, I. Watanabe, T. Saito

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( CAMBRIDGE UNIV PRESS ) 13 30 - 30 2010年

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

アルコールによる脳障害に対する再生医療的アプローチの可能性

橋本恵理, 吉永敏弘, 石井貴男, 齋藤諭, 鵜飼渉, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 44 ( 6 ) 674 - 679 2009年12月

神経幹細胞移植はFASDモデルラットの社会行動異常を改善する

白坂知彦, 小野貴文, 鵜飼渉, 吉永敏弘, 石井貴男, 渡邊公彦, 渡邉一平, 館農勝, 橋本恵理, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 44 ( 4 ) 282 - 283 2009年08月

アルコール性障害としてのうつ病と自殺うつ病とアルコール依存症の併存について

橋本恵理, 鵜飼渉, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 44 ( 4 ) 226 - 227 2009年08月

エタノールによる神経幹細胞機能異常における攻撃性・衝動性関連因子の発現変化解析

渡邉一平, 鵜飼渉, 小野貴文, 渡邊公彦, 白坂知彦, 石井貴男, 館農勝, 橋本恵理, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 44 ( 4 ) 428 - 429 2009年08月

アルコール・薬物関連障害の生物学的研究の動向アルコールによる脳神経ネットワークの変異行動変化と分子メカニズムの解析から

鵜飼渉, 橋本恵理, 石井貴男, 白坂知彦, 吉永敏弘, 館農勝, 小野貴文, 渡邊公彦, 渡邉一平, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 44 ( 4 ) 270 - 271 2009年08月

鵜飼渉, 橋本恵理, 石井貴男, 吉永敏弘, 渡邊公彦, 小野貴文, 館農勝, 渡邉一平, 白坂智彦, 齋藤利和

臨床精神医学 ( (株)アークメディア ) 38 ( 4 ) 421 - 428 2009年04月

【統合失調症は神経発達障害か、神経変性疾患か】非定型抗精神病薬の神経新生作用

橋本恵理, 鵜飼渉, 小野貴文, 齋藤利和

脳21 ( (株)金芳堂 ) 12 ( 2 ) 195 - 199 2009年04月

統合失調症の病態における形態学的異常の問題が明らかとなってきている。この脳形態変化を神経発達障害、進行性脳障害、治療薬による変化という三要素の複合として考えると、脳内神経ネットワークの構築・維持・修復の障害ととらえることができる。よって神経ネットワークの破壊・脱落を防ぎ、神経新生を促進する方向での取り組みが治療的に有用と思われる。非定型抗精神病薬は神経新生を促進する効果を有し、この作用を介して神経ネットワークの障害を修復し、認知機能障害の改善などの臨床効果発現に結びついている可能性がある。その作用機序としては、神経栄養因子シグナル伝達や小胞体ストレスの軽減の関与が考えられるところであるが、今後の更なる検討から、病態解明やより良い薬物療法への応用へと結びつくことが期待される。(著者抄録)

精神疾患の脳神経回路修復個別診断と薬物・細胞コンバインド療法の可能性の検討

鵜飼渉, 渡邊公彦, 吉永敏弘, 橋本恵理, 小野貴文, 石井貴男, 館農勝, 渡邉一平, 白坂智彦, 齋藤利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 ) ( 41 ) 47 - 48 2009年03月

ヒト健常者大脳皮質単一神経細胞における染色体構造異常の検出

岩本和也, 文東美紀, 上田順子, 中野陽子, 足立直樹, 鵜飼渉, 橋本恵理, 齋藤利和, 小島俊男, 加藤忠史

日本分子生物学会年会講演要旨集 32nd ( Vol.3 ) 255 2009年

ヒト脳神経系細胞におけるDNAメチル化解析―全ゲノムメチル化量の定量とメチル化領域の個人間差異の検討―

岩本和也, 文東美紀, 上田順子, 中野陽子, 鵜飼渉, 橋本恵理, 齋藤利和, 加藤忠史

日本生物学的精神医学会プログラム・講演抄録 31st 118 2009年

ヒト死後脳における神経細胞および非神経細胞DNAメチル化状態の解析

文東美紀, 岩本和也, 上田順子, 中野陽子, 鵜飼渉, 橋本恵理, 齋藤利和, 加藤忠史

日本分子生物学会年会講演要旨集 32nd ( Vol.3 ) 256 2009年

アルコールによる脳障害とエピジェネティクス制御機構

アルコールによる脳神経回路障害のメカニズムとその修復法の探索神経細胞・神経幹細胞を用いたin vitro、in vivo解析

鵜飼渉, 石井貴男, 吉永敏弘, 館農勝, 橋本恵理, 小野貴文, 渡邊公彦, 渡邉一平, 白坂智彦, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 43 ( 6 ) 763 - 769 2008年12月

石井貴男, 橋本恵理, 鵜飼渉, 館農勝, 吉永敏弘, 小野貴文, 渡邊公彦, 齋藤諭, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 43 ( 5 ) 705 - 713 2008年10月

【アルコール医学・医療の最前線】アルコール依存症アルコールによる脳内神経ネットワーク障害と神経幹細胞移植アルコール関連障害、とくに胎児性アルコールスペクトラム障害の治療法の開発

新規抗精神病薬の開発動向

鵜飼渉, 橋本恵里, 齋藤利和

脳と精神の医学 ( 日本生物学的精神医学会 ) 19 ( 3 ) 173 - 179 2008年09月

エタノールによる神経幹細胞機能異常におけるCREB/NRSF調節機構変化に関する解析

鵜飼渉, 石井貴男, 橋本恵理, 吉永敏弘, 館農勝, 小野貴文, 渡邊公彦, 渡邉一平, 白坂知彦, 齋藤諭, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 43 ( 4 ) 574 - 575 2008年08月

アルコール性精神障害に対する神経幹細胞移植療法の可能性に関する検討

小野貴文, 吉永敏弘, 石井貴男, 鵜飼渉, 館農勝, 渡邊公彦, 渡邉一平, 白坂知彦, 齋藤諭, 橋本恵理, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 43 ( 4 ) 416 - 417 2008年08月

New potential therapy of neural stem cell transplantation for repairing alcohol-induced brain damage

T. Saito, E. Hashimoto, W. Ukai, T. Yoshinaga, T. Ishii, M. Tateno, S. Saito

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( CAMBRIDGE UNIV PRESS ) 11 74 - 74 2008年07月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

Possible new treatment of schizophrenia: A combined therapy of cells and drugs

W. Ukai, E. Hashimoto, T. Yoshinaga, T. Ishii, M. Tateno, T. Ono, K. Watanabe, S. Saito, T. Saito

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( CAMBRIDGE UNIV PRESS ) 11 267 - 267 2008年07月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

The common aspects of pathophysiology of alcoholism and depression

M. Tateno, W. Ukai, T. Yoshinaga, T. Ishii, S. Saito, E. Hashimoto, T. Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( BLACKWELL PUBLISHING ) 32 ( 6 ) 299A - 299A 2008年06月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

Translational research of repairing therapy for the damaged brain by ethanol

E. Hashimoto, W. Ukai, T. Yoshinaga, T. Ishii, M. Tateno, T. Ono, K. Watanabe, S. Saito, T. Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( BLACKWELL PUBLISHING ) 32 ( 6 ) 277A - 277A 2008年06月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

The alteration of CREB/NRSF regulation in the neural stem cell dysfunction by ethanol

W. Ukai, T. Ishii, T. Yoshinaga, M. Tateno, T. Ono, K. Watanabe, E. Hashimoto, S. Saito, Y. Mukai, T. Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( BLACKWELL PUBLISHING ) 32 ( 6 ) 18A - 18A 2008年06月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

アルコールによる脳神経回路網の異常神経幹細胞を用いた修復の試み

鵜飼渉, 橋本恵理, 吉永敏弘, 石井貴男, 館農勝, 小野貴文, 渡邊公彦, 齋藤諭, 齋藤利和

日本神経精神薬理学雑誌 ( (一社)日本神経精神薬理学会 ) 28 ( 2 ) 69 - 73 2008年04月

Effect of lithium on ethanol-induced changes of neural differentiation

T. Ishii, W. Ukai, T. Yoshinaga, T. Ono, M. Tateno, K. Watanabe, S. Saito, E. Hashimoto, T. Saito

PSYCHIATRY AND CLINICAL NEUROSCIENCES ( BLACKWELL PUBLISHING ) 62 ( 1 ) S14 - S14 2008年02月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

エタノールによる神経幹細胞の分化制御小胞体機能に関わる分子変動の解析

石井貴男, 鵜飼渉, 館農勝, 吉永敏弘, 小野貴文, 渡邊公彦, 齋藤諭, 橋本恵理, 齋藤利和, 相馬仁

アルコールと医学生物学 ( (株)響文社 ) 27 16 - 23 2007年09月

アルコールが小胞体に及ぼす影響を明らかにする目的で、プロテオミクス技術を用いて、神経幹細胞にエタノールを処置した際の網羅的蛋白質発現変動の解析を試みるとともに、小胞体への特定分子の蓄積に着目した、小胞体機能変化の検討を試みた。ラット胎仔終脳から得た神経幹細胞を用いた。エタノールによって小胞体ストレス関連蛋白質を含んだ数種類のシャペロン蛋白質の発現が変動した。小胞体ストレス反応系エフェクターであるPERKがエタノール処置によって活性化し、エタノール処置により小胞体分画に蛋白質が蓄積した。エタノールによる神経幹細胞の神経細胞分化抑制作用に、小胞体機能の変化および転写抑制因子NRSFの結合活性変化の関与が考えられた。

齋藤利和, 土岐完, 鵜飼渉

医学のあゆみ ( 医歯薬出版(株) ) 222 ( 9 ) 685 - 689 2007年09月

神経画像学的な発展により1990年代から種々の神経・精神疾患の脳部位の萎縮が報告され、疾患の症状との関連が論じられるようになった。アルコール依存症をはじめとするアルコール関連障害では神経ネットワークの障害が報告され、認知障害や抑うつなどとの関連が論じられている。エタノールによる神経ネットワーク障害の機序としては、成熟した神経細胞への直接作用よりも未熟な神経細胞の発達や神経幹細胞の分化に対するエタノールの抑制作用が重要と思われた。こうしたエタノールによる神経ネットワーク障害に対する治療法として神経幹細胞の移植を取り上げ、胎児性アルコールスペクトラム障害モデルラットを用いた結果から、今後の胎児性アルコールスペクトラム障害を中心としたアルコール関連障害に対する将来の臨床的応用について論じた。(著者抄録)

アルコール・薬物依存の基礎研究の動向エタノールによる神経幹細胞機能異常の細胞内メカニズム解析

鵜飼渉, 石井貴男, 吉永敏弘, 館農勝, 橋本恵理, 齋藤諭, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 42 ( 4 ) 230 - 231 2007年08月

Trichostatin Aは転写制御変化を介してアルコールによる神経新生異常を抑制する

石井貴男, 鵜飼渉, 吉永敏弘, 館農勝, 橋本恵理, 斉藤諭, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 42 ( 4 ) 420 - 421 2007年08月

【生体防御機構と精神疾患】向精神薬による神経新生増強とサイトカインシグナル伝達

橋本恵理, 鵜飼渉, 今井智之, 石井貴男, 黒澤茂樹, 吉永敏弘, 齋藤諭, 齋藤利和

脳と精神の医学 ( 日本生物学的精神医学会 ) 18 ( 2 ) 103 - 110 2007年06月

難治性精神疾患に対する脳神経回路再生療法の可能性

鵜飼渉, 橋本恵理, 石井貴男, 吉永敏弘, 館農勝, 齋藤諭, 齋藤利和

札幌医学雑誌 ( 札幌医科大学 ) 76 ( 1-3 ) 7 - 12 2007年06月

Neural stem cells (NSCs) have recently been identified in mammalian brains, including human. The long-standing dogma of "no new neuron" was overturned by the discovery of NSCs in the adult brain. NSCs are primordial and uncommitted cells with two characteristic properties; self-renewal and multipotency. NSCs give rise to various types of cells in the central nervous system including neurons, astrocytes and oligodendrocytes. NSCs attract interests of a large number of researchers in various scientific fields because of their possibility of becoming innovative therapeutic strategy for neurodegenerative disorders previously considered untreatable. Recent clinical neuroimaging studies have suggested that morphological brain changes occur and progress in the course of depression, Alzheimer's disease and schizophrenia. The analysis of potentials of psychotropic drugs on NSC function may reveal the pathophysiological importance of neural network impairment and its repair. Furthermore, the studies using stem cells such as intravenous NSC transplantation can be a useful method to clarify the neural network reconstruction mechanism damaged in neuropsychiatric disorders.

DOI CiNii

The alteration of creb/nrsf regulation in the neurogenesis dysfunction by ethanol.

W. Ukai

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( BLACKWELL PUBLISHING ) 31 ( 6 ) 270A - 270A 2007年06月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

抗うつ薬の作用機序に関する新たな視点での考察

今井智之, 鵜飼渉, 石井貴男, 黒澤茂樹, 吉永敏弘, 小野貴文, 館農勝, 齋藤諭, 橋本恵理, 池田官司, 齋藤利和

分子精神医学 ( (株)先端医学社 ) 7 ( 2 ) 161 - 163 2007年04月

抗うつ薬による脳神経ネットワーク修復・再生の機序解明神経幹細胞を用いた精神疾患のin vitro・in vivo病態解析

鵜飼渉, 今井智之, 石井貴男, 黒澤茂樹, 吉永敏弘, 小野貴文, 館農勝, 畠山佳久, 齋藤諭, 橋本恵理, 齋藤利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 ) ( 39 ) 209 - 218 2007年03月

抗うつ薬投与による神経幹細胞内のシグナル伝達系変化及び転写因子調節機構について解析した。さらに、胎児性アルコール症候群のモデル動物に標識した神経幹細胞を移植する方法で、神経幹細胞の脳内動態の可視化を図るとともに、行動学的評価による神経回路修復機構についてin vivo解析を試みた。細胞に各種抗うつ薬、及び小胞体ストレスを処置した際の神経幹細胞の分化決定に重要な役割を担う転写抑制因子NRSF/RESTの活性変化について検討し、その細胞内調節機構について新たな知見が得られた。また、培養神経幹細胞を精神疾患モデルラットに移植し脳内での神経新生を可視化する方法で、神経回路網修復機序についてin vivo解析を試み、脳内での分布動態を示すとともに、神経幹細胞の経静脈的移植による精神疾患モデル動物の行動学的な改善効果を明らかにした。

ヒト死後脳における染色体異数性の解析

文東美紀, 岩本和也, 中野陽子, 上田順子, 鵜飼渉, 橋本恵理, 齋藤利和, 加藤忠史

生化学 4P-1023 2007年

Whole genome amplification法によるヒト死後脳ゲノムDNA増幅

上田順子, 岩本和也, 文東美紀, 中野陽子, 鵜飼渉, 橋本恵理, 齋藤利和, 加藤忠史

生化学 4P-1024 2007年

アルコールによる脳神経回路網修復・維持機構の変化

石井貴男, 鵜飼渉, 今井智之, 黒澤茂樹, 吉永敏弘, 館農勝, 小野貴文, 齋藤諭, 橋本恵理, 池田官司, 齋藤利和, 相馬仁

アルコールと医学生物学 ( (株)響文社 ) 26 81 - 87 2006年09月

アルコールとうつ病の共通した病態基盤の存在を明らかにするため、アルコールと小胞体ストレスが脳神経回路修復および維持機構に及ぼす影響について検討した。その機序として、neuron-restrictive silencer factor(NRSF)に注目した。さらに、アルコール慢性投与モデルラットに培養神経幹細胞の移植をする方法で、脳内神経幹細胞の動態変化の可視化を試みた。神経細胞の生存に影響を及ぼさない濃度の小胞体ストレスによって、神経幹細胞から神経細胞への分化が抑制された。また、抗うつ薬を同時に処置することによって、その分化抑制作用が軽減され、小胞体ストレスのマーカーとなるGRP78の発現が減少した。細胞の生存には影響を及ぼさない濃度のエタノールを処置した神経幹細胞において、NRSFの標的配列への結合活性が有意に増強し、NRSFの蛋白発現量も増加した。

アルコール飲用の薬理作用と依存メカニズム神経幹細胞の分化機能異常アルコール依存症とうつ病に共通する病態基盤の可能性

The role of neuron restrictive silencer factor in ethanol effect on differentiation of neural stem cells

Masaru Tateno, Wataru Ukai, Toshikazu Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( BLACKWELL PUBLISHING ) 30 ( 9 ) 91A - 91A 2006年09月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

Neural stem cell transplantation for psychiatric disease using alcohol exposure model

T. Yoshinaga, W. Ukai, T. Ishii, T. Imai, S. Kurosawa, E. Hashimoto, S. Saito, T. Saito

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( CAMBRIDGE UNIV PRESS ) 9 S211 - S211 2006年07月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

The effects of ethanol and antidepressants on neuronal differentiation of NSCs

W. Ukai

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( CAMBRIDGE UNIV PRESS ) 9 S20 - S21 2006年07月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

石井貴男, 鵜飼渉, 吉永敏弘, 館農勝, 橋本恵理, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 41 ( 3 ) 182 - 183 2006年06月

【再発予防と精神科薬物療法】アルコール依存の再発予防と精神科薬物療法

石井貴男, 鵜飼渉, 齋藤利和

臨床精神薬理 ( (株)星和書店 ) 9 ( 6 ) 1177 - 1183 2006年06月

アルコール依存症の再発予防の現状と将来展望について,飲酒への渇望に対する薬物療法,離脱期の薬物療法,合併症に対する薬物療法,および新規治療法への取り組みの観点でまとめてみた.はじめに,飲酒への渇望は,飲酒によるなんらかの「快感」を求めて繰り返すことで摂取コントロール困難な精神依存に陥った状態を示すが,これに対しては,アルコールの代謝阻害によって飲酒時に動悸,嘔気,頭痛などの不快な症状を発現させるタイプの薬剤と,脳内報酬系を司る神経系を抑制することによって,飲酒による正の効果を抑制するタイプの薬剤が開発・使用されている.特に前者の薬剤の服用については,安全性の問題も含め,患者自身がアルコール依存症を治療するという積極的な意思をもって始めることが重要である.また,気分障害,不安障害や,恐慌性障害など,アルコール依存症に合併する精神障害の治療は,再発予防にとって極めて重要な問題であるが,これらの症状に対しては,依存形成の危険性のなさ,安全性の高さからSSRIが推奨されている.加えて,アルコール依存症の様々な精神・身体症状の多くが,脳の神経ネットワークの形成・修復異常に基づいていることが明らかにされつつあり,アルコール依存症とその関連疾患に対する,神経幹細胞移植療法をはじめとした根治的治療法開発への模索について紹介する(著者抄録)

抗うつ薬による神経ネットワーク修復の機序解明小胞体機能変化に焦点を当てて

鵜飼渉, 今井智之, 石井貴男, 黒澤茂樹, 吉永敏弘, 館農勝, 齋藤諭, 橋本恵理, 池田官司, 齋藤利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 ) ( 38 ) 130 - 138 2006年03月

抗うつ薬による神経幹細胞の分化促進作用と小胞体機能変化との関連に着目し,小胞体ストレス負荷時において抗うつ薬が神経幹細胞の機能変動に及ぼす影響を評価し,小胞体関連蛋白質の発現変動への影響についての検討した.更に,精神疾患モデルラットに神経幹細胞を移植し,神経回路網修復機序に関するin vivo解析と,精神疾患に対する細胞移植療法の可能性について検討した.神経幹細胞分化のプロセスにおける小胞体機能維持の重要性,および抗うつ薬による分化促進効果における小胞体機能増強の関与を明らかとした.精神疾患モデル動物に対する神経幹細胞移植を実施し,うつ病のin vivo病態解析のみならず,特に難治性の精神疾患に対する,内在性の神経幹細胞の活性化や,細胞移植療法といった新たな治療法開発の糸口となり得ることが示唆された

Implication of increased NRSF/REST binding activity in the mechanism of ethanol inhibition of neuronal differentiation

M Tateno, W Ukai, E Hashimoto, H Ikeda, T Saito

JOURNAL OF NEURAL TRANSMISSION ( SPRINGER WIEN ) 113 ( 3 ) 283 - 293 2006年03月

The neuron-restrictive silencer factor (NRSF), or repressor element-1 silencing transcription factor (REST), is a transcription factor that mediates negative regulation of neuronal genes. NRSF represses multiple neuronal target genes in non-neuronal and neuronal precursor cells to regulate the proper timing of neuronal gene expression during neurogenesis. In the present study, we investigated the effects of ethanol and MEK inhibitor U0126 on the DNA binding activity of NRSF in neural stem cells prepared from rat embryos. Both ethanol and U0126 enhanced NRSF binding activity measured by the method based on the principal of electrophoretic mobility shift assay (EMSA) and decreased neuronal differentiation in a concentration dependent manner. Western blot analysis revealed that ethanol suppressed phosphorylation of extracellular signal-regulated kinase (ERK) without affecting expression of total ERK. These results suggest that ethanol-induced potentiation of NRSF binding activity underlies the mechanism of ethanol inhibition of neuronal differentiation and decreased neurogenesis.

【抗精神病薬の神経保護作用ニューロプロテクションの新たな知見】統合失調症とアポトーシス

鵜飼渉, 黒澤茂樹, 橋本恵理, 齋藤利和

分子精神医学 ( (株)先端医学社 ) 6 ( 1 ) 2 - 9 2006年01月

近年,ニューロイメージング研究,および死後脳研究の進展を背景に,統合失調症における脳の形態学的・構造学的異常の存在がクローズアップされ,統合失調症における脳の萎縮,すなわち神経ネットワークの破壊・脱落の報告が多数なされてきている.このような脳の構造的変化は,その治療に使われる抗精神病薬によっても起こりうることが,われわれを含めて複数の研究者によって報告されている.すなわち,従来治療に使用されてきた定型抗精神病薬は,脳神経細胞のアポトーシスを誘導することが示されている.一方,最近開発された非定型抗精神病薬は,こうしたアポトーシス誘導活性が低いばかりではなく,神経細胞に保護的に作用し,神経新生を増強するなどして,脳の神経ネットワークの維持・修復に寄与している可能性が明らかになりつつある.定型・非定型抗精神病薬の脳神経ネットワークに対する作用のこの差異は,統合失調症の主症状である陰性症状や認知障害の改善効果の差に結びついている可能性が考えられている(著者抄録)

アルコール暴露モデルを用いた精神病に対する神経幹細胞移植

YOSHINAGA Toshihiro, UKAI Wataru, ISHII Takao, IMAI Tomoyuki, KUROSAWA Shigeki, ONO Takafumi, SAITO Satoshi, HASHIMOTO Eri, IKEDA Hiroshi, SAITO Toshikazu

神経化学 45 ( 2/3 ) 2006年

ニューロン表現型の特徴付けによる抗欝薬誘発神経発生の解析

IMAI Tomoyuki, UKAI Wataru, ISHII Takao, KUROSAWA Shigeki, YOSHINAGA Toshihiro, ONO Takafumi, SAITO Satoshi, HASHIMOTO Eri, IKEDA Hiroshi, SAITO Toshikazu

神経化学 45 ( 2/3 ) 2006年

The effects of antidepressants on the phenotype specific neuronal differentiation in vitro

W. Ukai, T. Imai, T. Ishii, S. Kurosawa, T. Yoshinaga, T. Ono, S. Saito, E. Hashimoto, H. Ikeda, T. Saito

JOURNAL OF PHARMACOLOGICAL SCIENCES ( JAPANESE PHARMACOLOGICAL SOC ) 101 100 - 100 2006年

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

抗精神病薬による神経保護作用の機序

黒澤茂樹, 今井智之, 鵜飼渉, 石井貴男, 小野貴文, 吉永敏弘, 斉藤諭, 橋本恵理, 池田官司, 齋藤利和

神経化学 45 ( 2/3 ) 2006年

向精神薬による神経新生増強とサイトカインシグナル伝達

橋本恵理, 鵜飼渉, 今井智之, 石井貴男, 黒澤茂樹, 吉永敏弘, 齋藤諭, 池田官司, 齋藤利和

神経化学 45 ( 2/3 ) 2006年

神経細胞の生存,分化,死に対するエタノールの影響

鵜飼渉

脳と精神の医学 ( 日本生物学的精神医学会 ) 16 ( 4 ) 274 - 276 2005年12月

アルコール依存の分子生物学

鵜飼渉, 橋本恵理, 齋藤利和

Current Insights in Neurological Science ( (株)マッキャンヘルスケアワールドワイドジャパン ) 13 ( 3 ) 2 - 4 2005年10月

アルコールによる神経新生抑制における転写抑制因子NRSF/RESTの役割

館農勝, 鵜飼渉, 石井貴男, 橋本恵理, 池田官司, 齋藤利和

アルコールと医学生物学 ( (株)響文社 ) 25 43 - 50 2005年09月

神経幹細胞の分化に対するアルコールの影響について,NRSF/RESTのDNA結合活性に着目し検討を行った.その結果,100mMエタノール処理したラット脳神経幹細胞では,NRSF/RESTの標的配列NRSE/RE1への結合活性が有意に増強し,ERKの活性型であるp-ERKの発現が減弱することが判明した.また,MEK阻害剤U0126を処置した神経幹細胞では,神経細胞への分化が有意に抑制され,エタノール処置と同様にNRSF/RESTのDNA結合活性の増強が確認された.以上より,アルコールによる神経幹細胞の分化抑制にはNRSF/RESTの活性変化が関与している可能性が示唆され,特にERKを介した転写因子の変化が重要であると考えられた

アルコール・薬物依存の次世代への影響幼若神経細胞を用いたエタノール誘発神経細胞発達変化の研究

鵜飼渉, 石井貴男, 橋本恵理, 池田官司, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 40 ( 4 ) 336 - 337 2005年08月

薬物乱用と依存メカニズムアルコール依存の機序に関する研究エタノールの神経細胞及び神経幹細胞に及ぼす影響

鵜飼渉, 石井貴男, 橋本恵理, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 40 ( 4 ) 304 - 305 2005年08月

Attenuation of brain derived neurotrophic factor (BDNF) by ethanol and cytoprotective effect of exogenous BDNF against ethanol damage in neuronal cells

R Sakai, W Ukai, H Sohma, E Hashimoto, M Yamamoto, H Ikeda, T Saito

JOURNAL OF NEURAL TRANSMISSION ( SPRINGER WIEN ) 112 ( 8 ) 1005 - 1013 2005年08月

Ethanol-induced cell damage was investigated using human neuroblastomas SH-SY5Y cells, which can be differentiated by retinoic acid. With 100 mM or more of ethanol, cytotoxicity was significantly higher in undifferentiated cells than in differentiated cells. Thus, a severer effect of ethanol was observed in undifferentiated cells. In differentiated cells it was shown that the secreted amount of brain derived neurotrophic factor (BDNF) and the cyclic AMP responsive element binding protein (CREB) activity were significantly reduced by ethanol. These effects may be involved in ethanol-induced cell damage in differentiated cells. It was reported that neurotrophic factors have protective effects and that the hippocampus exclusively was damaged by ethanol. Since SH-SY5Y cell is a cell line (a neuronal cell model) and similar cytotoxic effect of ethanol was observed in both SH-SY5Y and primary culture neuronal cells, it will be favorable to use primary culture cells to test a protective effect of BDNF. Exogenous BDNF was shown to have a protective effect against ethanol-induced damage in primary culture neurons from rat hippocampi.

抗精神病薬および抗うつ薬の神経細胞生存と神経新生に及ぼす影響に関する研究

アルコールと細胞内情報伝達エタノールによる神経幹細胞分化制御に対する向精神薬の影響

石井貴男, 鵜飼渉, 橋本恵理, 池田官司, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 40 ( 4 ) 286 - 287 2005年08月

鵜飼渉

札幌医学雑誌 ( 札幌医科大学 ) 74 ( 3 ) T225 - 234 2005年08月

神経新生と神経回路網からみたうつ病の発症と病態に関する研究

鵜飼渉, 館農勝, 今井智之, 石井貴男, 黒澤茂樹, 橋本恵理, 池田官司, 齋藤利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 ) ( 37 ) 198 - 204 2005年03月

抗うつ薬・気分安定薬が,神経細胞の生存,および神経幹細胞の機能に及ぼす影響について,測定・評価する系を構築した.その作用と関連する細胞内シグナル伝達系変化の同定した.胎齢18日のラット大脳皮質から得た神経細胞,胎齢13.5日のラット終脳から得た神経幹細胞を用いて,神経回路網の修復・維持に欠かせない要素である神経細胞の新生と成熟神経細胞の生存機能に及ぼす抗うつ薬・気分安定薬の影響を比較検討し,薬物の治療薬としての作用機序,ならびに感情障害の病態メカニズムの解析を試みた.抗うつ薬によるERKシグナルを介した神経幹細胞の分化促進効果が抗うつ効果と,気分安定薬による分化促進効果に加えて,Aktや他の経路を介した神経細胞の生存機能増強効果が気分安定効果の発現と結びついている可能性が示唆された

Implication of increased NRSF/REST binding activity in the mechanism of ethanol inhibition of neuronal differentiation.

J Neural Transm 0 15 - 15 2005年

抗精神病薬の神経新生・神経生存機能に及ぼす影響の研究

黒沢茂樹, 鵜飼渉, 石井貴男, 今井智之, 橋本恵理, 池田官司, 斎藤利和

日本生物学的精神医学会プログラム・講演抄録 27th 2005年

ニューロン形成及び生存に対する抗精神病薬の影響

UKAI Wataru, KUROSAWA Shigeki, ISHII Takao, IMAI Tomoyuki, YOSHINAGA Toshihiro, SAITO Satoshi, HASHIMOTO Eri, IKEDA Hiroshi, SAITO Toshikazu

神経化学 44 ( 2/3 ) 2005年

小胞体ストレスによる神経幹細胞の機能変動と抗うつ薬の影響

鵜飼渉, 今井智之, 石井貴男, 黒沢茂樹, 館農勝, 橋本恵理, 山田美佐, 池田官司, 山田光彦, 斎藤利和

日本生物学的精神医学会プログラム・講演抄録 27th 2005年

エタノールによる脳内神経回路網改変の可能性エタノールの神経細胞の新生及び生存に与える影響

エタノールによる神経幹細胞内シグナル変化と分化制御

館農勝, 鵜飼渉, 山本恵, 橋本恵理, 池田官司, 齋藤利和

アルコールと医学生物学 ( (株)響文社 ) 24 61 - 65 2004年09月

薬物・アルコールの生物学的研究エタノールによる神経幹細胞内シグナル変化と分化制御

齋藤利和, 館農勝, 鵜飼渉, 山本恵, 橋本恵理, 相馬仁

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 39 ( 4 ) 276 - 277 2004年08月

BDNF and CREB: Role in ethanol induced neuronal damage

W Ukai

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( LIPPINCOTT WILLIAMS & WILKINS ) 28 ( 8 ) 77A - 77A 2004年08月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

Alcohol and neuronal differentiation.

M Tateno, W Ukai, M Yamamoto, E Hashimotao, H Ikeda, T Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( LIPPINCOTT WILLIAMS & WILKINS ) 28 ( 8 ) 69A - 69A 2004年08月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

The effect of apolipoprotein E on the neuronal toxicity induced by ethanol.

H Ikeda, W Ukai, T Yoshida, M Tateno, E Hashimoto, T Saito

ALCOHOLISM-CLINICAL AND EXPERIMENTAL RESEARCH ( LIPPINCOTT WILLIAMS & WILKINS ) 28 ( 8 ) 26A - 26A 2004年08月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

【依存症のニューロサイエンス】主要な薬物依存症のニューロサイエンス的側面アルコール依存の神経生物学

山本恵, 鵜飼渉, 齋藤利和

Clinical Neuroscience ( (株)中外医学社 ) 22 ( 6 ) 670 - 672 2004年06月

Promotion of neuronal differentiation by antidepressants and mood stabilizers

M Tateno, W Ukai, M Yamamoto, E Hashimoto, H Ikeda, T Saito

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( CAMBRIDGE UNIV PRESS ) 7 S186 - S186 2004年06月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

Neurotoxic potential of haloperidol in comparison with risperidone: Implication of Akt-mediated signaling

W Ukai, M Tateno, M Yamamoto, E Hahimoto, H Ikeda, T Saito

INTERNATIONAL JOURNAL OF NEUROPSYCHOPHARMACOLOGY ( CAMBRIDGE UNIV PRESS ) 7 S434 - S434 2004年06月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

気分障害における細胞内情報伝達機能障害機構の検討

小山司, 久住一郎, 鵜飼渉, 館農勝, 紺野雅人, 山本恵, 橋本恵理, 齋藤利和, 本望修, 相馬仁, Riederer Peter

厚生労働省精神・神経疾患研究総括研究報告新しい診断・治療法の開発に向けた精神疾患の分子メカニズム解明に関する研究 ( 厚生労働省精神・神経疾患研究班 ) ( 平成12〜14年 ) 57 - 59 2004年03月

双極性障害では,アゴニスト刺激性血小板内カルシウム(Ca)濃度増加反応亢進所見が認められる.細胞内情報伝達系の二つの主要経路であるプロテインキナーゼC(PKC)系ならびにカルモジュリン(CaM)系のCa反応に対する調節機構を検討するとともに,リチウムとバルプロ酸の作用機序との関係も検討した.Ca反応亢進のメカニズムにPKC系とCaM系の調節障害が関与し,リチウムは主にCaM系,バルプロ酸はPKC系を介して作用している可能性が示唆された.さらに,細胞内Ca貯蔵部位の小胞体膜に存在するCa-ATPaseポンプ(SERCA)の機能低下もCa反応亢進に関与している可能性が考えられた

【抗精神病薬のNeuroprotection作用】抗精神病薬の神経細胞障害性における定型と非定型抗精神病薬の違い

鵜飼渉, 館農勝, 山本恵, 橋本恵理, 池田官司, 小澤寛樹, 齋藤利和

臨床精神薬理 ( (株)星和書店 ) 7 ( 3 ) 341 - 348 2004年03月

統合失調症患者脳における形態・構造変化の報告に基づいて,各種抗精神病薬による治療の際の錐体外路症状(EPS)発現率,陰性症状・認知障害の改善率と,薬物の神経細胞障害性との関連に着目した.大脳皮質神経細胞を用いた検討において,定型抗精神病薬のhaloperidolは長期処置によって神経細胞にアポトーシスを誘導した.一方,clozapineを例外としてセロトニン・ドーパミン阻害薬(SDA),多元受容体作用型抗精神病薬(MARTA)と称される非定型抗精神病薬の神経細胞への障害性は低く,これらの薬剤の神経細胞の生存そのものに対する影響の違いと臨床上の特徴との関連が推測された.又,haloperidolによる神経細胞アポトーシスの誘導にPI 3-Kinase Akt系の活性低化とカスパーゼ3活性化が関与することが判明した

神経幹細胞分化誘導能に及ぼす抗うつ薬の影響に関する研究

鵜飼渉, 館農勝, 山本恵, 橋本恵理, 池田官司, 小澤寛樹, 齋藤利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 ) ( 36 ) 153 - 159 2004年03月

脳の神経細胞は,発達段階ばかりでなく,成人においても新生され,これによって神経ネットワークの改築・更新が常に行われている.この神経ネットワークを構成する神経細胞の新生能や,神経細胞への分化能に大きく関わっているのが自己複製能と多分化能を有した未分化な細胞,神経幹細胞である.今回,抗うつ薬が神経幹細胞の分化に影響を与えているか否かについて,ラット胎仔脳より得た神経幹細胞を用いてその神経細胞への分化誘導能を測定・評価する系を構築し,その作用がBrain derived neurotrophic factor(BDNF)発現増加を伴ったものかどうかについて検討した

山本恵, 鵜飼渉, 館濃勝, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 39 ( 1 ) 51 - 60 2004年02月

Neurotoxic potential of haloperidol in comparison with risperidone: Implication of Akt-mediated signal changes by haloperidol

Ukai, W, Tateno, M, Hashimoto, E, Saito, T, Ozawa, H

Journal of Neural Transmission 111 ( 6 ) 667 - 681 2004年

抗うつ薬・気分安定薬の神経幹細胞分化に及ぼす影響の研究

鵜飼渉, 小澤寛樹, 館農勝, 紺野雅人, 山本恵, 池田官司, 齋藤利和

日本神経精神薬理学雑誌 23 ( 6 ) 272 - 272 2003年12月

神経幹細胞を用いた胎児性アルコール症候群(FAS)の病態に関する研究

館農勝, 鵜飼渉, 紺野雅人, 山本恵, 池田官司, 小澤寛樹, 齋藤利和

日本神経精神薬理学雑誌 23 ( 6 ) 316 - 316 2003年12月

【うつ病新たな治療法の開発】ヒト神経幹細胞を用いたうつ病の治療

鵜飼渉, 小澤寛樹, 館農勝, 紺野雅人, 齋藤利和

脳の科学 ( (株)星和書店 ) 25 ( 11 ) 1063 - 1069 2003年11月

これまでうつ病の病態研究に関しては,神経伝達物質更には脳情報伝達系の異常へと研究が発展し,最近では神経可塑性の問題が研究されている.一方,基礎的な研究を主体として,哺乳類の脳においては再生しないと考えられていた神経細胞が,実は成体ヒト,老齢の脳でも神経幹細胞が存在し,神経細胞に活発に代謝回転しているということが分かってきた.これらのことから,うつ病の病態或いは治療において神経幹細胞の果たす役割は大きいと考えられる.更に,アルツハイマー病や脊髄損傷における神経系の再生治療を目的に神経幹細胞を応用した移植療法や,最近では間葉系幹細胞の経静脈内投与による治療なども考えられてきている.そこで,神経幹細胞を用いたうつ病治療に関する知見・試みについて言及した

神経幹細胞の分化誘導制御に対するエタノールの影響

館農勝, 小澤寛樹, 鵜飼渉, 山本恵, 土岐完, 池田官司, 齋藤利和

アルコールと医学生物学 ( (株)響文社 ) 23 115 - 120 2003年09月

アルコールによる神経細胞,ならびに神経幹細胞内の情報伝達系変化を明らかにしていく目的で,ラット胎仔の大脳皮質より得た神経細胞,および終脳より得た神経幹細胞を用いてエタノールを単独または神経栄養因子とともに処置し,神経細胞の生存と神経幹細胞の分化誘導におよぼすエタノールの影響について検討した.エタノールが,特に栄養因子を介した分化誘導のシグナル伝達系に働きかけてその情報伝達系に機能変動を生じさせる可能性が示唆された

定型・非定型抗精神病薬の神経細胞障害性に関する研究

館農勝, 小澤寛樹, 鵜飼渉, 紺野雅人, 佐々木竜二, 山口高史, 吉田拓, 池田官司, 齋藤利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 ) ( 35 ) 168 - 175 2003年03月

ラット大脳皮質初代培養系を用いて,定型・非定型抗精神病薬の神経細胞生存に与える影響について検討した.その結果,定型抗精神病薬であるハロペリドールの処置により,大脳皮質神経細胞に濃度・時間依存的な細胞死が誘導された.また,各薬剤による神経細胞障害性を比較検討した結果,ハロペリドールが最も強く神経細胞に障害を誘導することが判明した

神経幹細胞の分化誘導能に及ぼす抗うつ薬・気分安定薬の影響

鵜飼渉, 小澤寛樹, 館農勝, 紺野雅人, 山本恵, 酒井理恵, 池田官司, 齋藤利和

神経化学 42 ( 2 ) 281 - 281 2003年

定型・非定型抗精神病薬の神経細胞障害性に関する研究

鵜飼渉, 小澤寛樹, 館農勝, 長栄洋, 山田真吾, 紺野雅人, 齋藤利和

日本神経精神薬理学雑誌 22 ( 6 ) 352 - 352 2002年12月

アルコールによる細胞・組織障害の分子メカニズムアルコールによる神経細胞アポトーシスの分子メカニズム

アルコールによる細胞内Ca2+情報伝達素子の発現変化と細胞障害性

相馬仁, 大川浩子, 酒井理恵, 橋本恵理, 鵜飼渉, 齋藤利和

アルコールと医学生物学 ( (株)響文社 ) 22 4 - 9 2002年12月

ヒト由来ニューロブラストーマ細胞(SH-SY5Y),ラット由来グリオーマ細胞(C6)およびそれらの神経初代培養細胞である胎児ラット海馬より調整した細胞を用いてエタノールによる細胞障害性とアネキシンIVのNFκB活性化への関与など生理的役割について検討した.その結果,200mM以上のエタノールに24時間曝露した場合,いずれの神経培養細胞でも細胞障害性が認められた.各神経培養細胞にアネキシンIVの強制発現を行い,エタノールによる細胞障害活性の検討では,いずれの細胞でもアネキシンIVの発現増大により障害活性が増大することが示された.一方,エタノールの曝露がなければアネキシンIVの強制発現による細胞障害性は認められなかった.次にC6細胞を用いてアネキシンIVの発現増大によるエタノール細胞障害の増強がNFκB活性化を伴うか検討した結果,アネキシンIVの強制発現によってエタノールによる核内のNFκB量は有意に増加した.以上より,アネキシンIVの発現増大によるエタノール細胞障害性の増強はNFκBの活性増強を介することが示唆された

相馬仁, 大川浩子, 酒井理恵, 橋本恵理, 鵜飼渉, 齋藤利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 ) 37 ( 4 ) 306 - 307 2002年08月

Imbalance of second messengers in pathophysiology of affective disorders

T Yamaguchi, H Ozawa, W Ukai, E Hashimoto, M Sasaki, H Ishikawa, S Shichinohe, T Saito, R Riederer

INTERNATIONAL CLINICAL PSYCHOPHARMACOLOGY ( LIPPINCOTT WILLIAMS & WILKINS ) 17 S153 - S154 2002年08月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

Intrinsic death mediator of homocysteic acid for Alzheimer's and Parkinson's diseases

T Hasegawa, W Ukai, M Nakagawa, T Yamada

NEUROBIOLOGY OF AGING ( ELSEVIER SCIENCE INC ) 23 ( 1 ) S520 - S520 2002年07月

研究発表ペーパー・要旨（国際会議）

Different modes of action of catecholamine-O-methyltransferase inhibitors entacapone and tolcapone on adenylyl cyclase activity in vitro

Gerlach, M, Ukai, W, Ozawa, H, Riederer, P

Journal of Neural Transmission 109 ( 5-6 ) 789 - 795 2002年