白鳥 正典 (シラトリ マサノリ)

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所属

医学部 総合診療医学講座

職名

准教授

所属学協会 【 表示 / 非表示

  •  
     
     

    日本呼吸器内視鏡学会

  •  
     
     

    日本医学教育学会

  •  
     
     

    日本呼吸器学会

  •  
     
     

    日本内科学会

  •  
     
     

    日本肺癌学会

researchmapの所属 【 表示 / 非表示

  • 札幌医科大学   医学部 呼吸器・アレルギー内科学講座   准教授  

 

研究キーワード 【 表示 / 非表示

  • 特発性肺線維症

  • 内科学 呼吸器病学

  • サーファクタント蛋白質

  • 診療参加型臨床実習

  • 医学教育

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Misc 【 表示 / 非表示

  • 間質性肺炎・急性肺傷害における肺胞II型上皮細胞の役割(びまん性肺疾患に対する分子生物学的アプローチ : 間質性肺炎から肺気腫まで)(第24回日本気管支学会総会)

    白鳥 正典, 相坂 治彦, 大塚 満雄, 今井 良成, 今 勇人, 藤嶋 卓哉, 黒沼 幸治, 原田 一暁, 明田 晶子, 工藤 和実, 高橋 弘毅, 阿部 庄作

    気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 ( 日本呼吸器内視鏡学会 )  23 ( 8 ) 721 - 725  2001年12月

     概要を見る

    間質性肺炎・急性肺傷害では, 肺胞中隔への炎症細胞浸潤と線維芽細胞の増加による末梢肺組織の線維化が認められる。肺胞I型上皮細胞(type I cell)が傷害されると肺胞II型上皮細胞(type II cell)が肥大・増生し、type I cellへと分化, 肺胞壁を被覆し修復する方向へ働く。type II cellから合成・分泌される肺サーファクタント蛋白質(Surfactant Protein;SP)のうち, 疎水性であるSP-B, SP-Cは, 末梢肺組織の線維化の契機の1つと考えられている肺胞の虚脱を防ぐ機能を担う。我々は間質性肺炎における血清マーカーとしてのSP-A, SP-Dの有用性を報告してきたが, 放射線起因急性肺傷害動物モデルを用いて生体内での各SPの推移を検討した結果, 放射線照射後にサーファクタント産生の増加を認めたが, SPのmRNA発現においては, SP-A mRNAに対するSP-B, SP-C mRNA発現の相対的低下を認めた。このことから, 急性肺傷害における肺サーファクタント組成の変化は肺胞表面張力上昇を惹起させ, 肺胞虚脱による呼吸状態の悪化や末梢肺組織の線維化の一因となることが推測された。最近ではARDSに対するサーファクタント補充療法等が報告され, 今後, type II cellからみた間質性肺炎・急性肺傷害の病態に関する新たな検討が期待される。

    DOI CiNii

共同研究・競争的資金等の研究課題 【 表示 / 非表示

  • 肺コレクチンが有する急性肺障害制御機能の臨床応用化への橋渡し

    基盤研究(C)

    研究期間:

    2011年
    -
    2013年
     

    高橋 弘毅, 黒木 由夫, 白鳥 正典, 千葉 弘文, 工藤 和実, 黒沼 幸治

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    本研究は急性肺障害でのToll様受容体(TLRs)の役割を明確にし、肺コレクチン、SP-Aによる抑制効果を臨床薬に応用する基盤的研究である。ブレオマイシン(BLM)投与SP-A ノックアウトマウスは野生型よりも死亡率が高く、肺内炎症性サイトカイン産生が増強された。BLM刺激でラット肺胞マクロファージから炎症性サイトカインが誘導され、SP-A添加で有意に抑制された。sTLR2遺伝子導入HEK293細胞では、BLM刺激でNF-kBが誘導された。BLMはsTLR2と直接結合し、それはSP-Aで阻害された。以上より、BLM誘導シグナルはTLR2依存性で、肺コレクチンはその阻害効果をもつことが示された。

  • 肺コレクチンを用いた薬剤性肺障害の制御

    基盤研究(C)

    研究期間:

    2008年
    -
    2010年
     

    高橋 弘毅, 黒木 由夫, 白鳥 正典, 千葉 弘文, 工藤 和実, 黒沼 幸治

     研究概要を見る

    本研究は、薬剤性肺障害の成因や重症化において肺コレクチン(SPAとSP-D)およびToll様受容体(TLR)による炎症制御の機構を解明し、将来の肺治療への応用を目指してその基盤確立を目的として遂行された。まず、薬剤による肺障害のマウスモデルを確立し、SP-Aノックアウトマウスにおいては重症化していた。ラット肺胞マクロファージ細胞における薬剤刺激による炎症性サイトカイン産生はSP-Aにより抑制された。薬剤(ブレオマイシン)はsTLR2と結合したが、SP-Aによりその結合は阻害された。以上より、SP-Aは薬剤性肺障害においても保護的な役割を有しており、TLR2を介した炎症の増強を抑制している可能性が示唆された。

  • 間質性肺炎におけるTLR発現の意義と肺サーファクタント蛋白質を介する調節機構

    基盤研究(C)

    研究期間:

    2003年
    -
    2004年
     

    高橋 弘毅, 黒木 由夫, 白鳥 正典, 千葉 弘文

     研究概要を見る

    特発性肺線維症は,慢性間質性肺炎のなかで難治性疾患として位置づけられている。しばしば呼吸器感染症を契機に炎症反応が急性増悪し致死的経過をとる。急性増悪した際の病理所見はびまん性肺胞障害であり,分子病態学的にはTNF-α等の生理的活性物質亢進に基づく生体反応である。したがって,TNF-αによって惹起される炎症拡大を抑制できるならば,本疾患による致死率を低下させ得る。炎症細胞でのTNF-αの発現は,細胞表面に発現したToll-like receptor(TLR)に菌体成分が結合し,そのシグナルが細胞内へ伝達されることによって亢進される。一方,肺サーファクタント蛋白質であるSP-Aには,抗炎症作用があることが知られている。H15年度は,SP-Aがブドウ球菌由来peptidoglican(PGN)による細胞応答を変調させうるかについて検討した。PGNは肺胞マクロファージ上のTLR2と結合し,TNF-α産生を亢進させた。SP-AはTLR2と直接結合し,このreceptorをPGNと競合し奪い合うかたちでTNF-α産生亢進を相殺した。したがって,SP-Aには,TLRを介する炎症の拡大を抑制する作用があることが示唆された。H16年度はマイコプラズマについて検討した。菌培養液中に添加されたSP-Aは濃度依存性に、コロニー形成、菌体によるthymidineの取り込みを抑制し、SP-Aには菌の増殖抑制作用のあることが示された。また,マイコプラズマ菌体成分lipoproteinは,ヒト単球由来の細胞株U937によるTNF-αとNOの産生を濃度依存性に亢進させ,さらにこの細胞応答がSP-A添加によって濃度依存性に増強されることが示された。したがって,lipoproteinがマイコプラズマ肺炎の炎症惹起物質であること,SP-Aがその変調因子であることが示唆された。また,TLR2 cDNAをtransfectしたHEK293細胞はlipoproteinに対してNFk-Bの活性化を惹起し,さらにマイコプラズマ感染の宿主細胞による認識はTLR2とCD14が受容体として関与していることが示唆された。今回の検討結果は,SP-Aが慢性間質性肺炎の急性増悪予防薬になりうることを示している。

  • 間質性肺傷害の防御因子としての肺胞11型上皮細胞の分子生物学的検討

    基盤研究(C)

    研究期間:

    2001年
    -
    2002年
     

    高橋 弘毅, 白鳥 正典, 黒木 由夫

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    間質性肺疾患には,特発性間質性肺炎(IIP)を初めとする予後不良な疾患群が含まれており,それらに共通する病態は不可逆的な肺線維化形成である。間質性肺傷害を受けた組織がRemodelingへと進むことなくRepairするには,肺胞上皮が速やかに再生する必要がある。最近,Renin-Angiotensin系が肺の線維化を誘導すること,その機序に肺胞II型上皮細胞のアポトーシスが関わること等を示唆する報告がなされた。本研究では,ブレオマイシン気管内投与よる間質性肺傷害ラットモデルを用い,特に,Angiotensin II receptor 1 (AT1)を介する間質性肺傷害と肺線維化の促進機構について明らかにし,さらにAT1 selective antagonist (candesartan)が間質性肺傷害・肺線維化の治療薬として有効かについて検討した。AT1陽性細胞は,非傷害下で肺胞II型上皮細胞,肺胞マクロファージ,血管平滑筋細胞,血管内皮細胞等,細胞非特異的な発現分布を示した。AT1は,傷害早期(day7)では好中球と肺胞マクロファージに,傷害晩期(day21)では間質マクロファージと線維芽細胞に強く発現していた。AT1発現を定量化すると,BAL液沈渣では傷害早期に,肺ホモゲネート画分では傷害晩期に有意な発現増加を認めた。肺ホモゲネート画分のhydroxyprolineは,肺傷害ラットで有意に増加したが,Candesartan投与によって有意に抑制された。BAL液中の好中球と肺胞マクロファージ数増加もまたCandesartan投与によって抑制された。このように,たとえAT1が強発現していたとしても,そのantagonistを投与することによって,間質性肺傷害並びに肺線維化形成を抑制することが可能であることが示され,臨床への応用が期待できる成果が得られた。

  • 急性肺傷害の遺伝子およびアポトーシスの解析とサーファクタント蛋白質による治療応用

    奨励研究(A)

    研究期間:

    2000年
    -
    2001年
     

    白鳥 正典

     研究概要を見る

    本研究は急性肺傷害の病態における、肺胞II型上皮細胞の動態に着目して、肺傷害出現時期の肺サーファクタント蛋白質(SP)の発現やアポトーシスの発現を評価し、肺胞構造の修復に寄与するとされている同細胞の再生・増殖の評価を行うことを目的とした。 急性肺傷害モデルとして、8週齢の雄Sprague-Dawleyラットの胸郭に20Gyの単回軟X線照射を行い放射線性急性肺傷害ラットモデルを作成した。本モデルの組織学的検討では、照射3週後より肺胞内にマクロファージを主体とする炎症細胞浸潤が出現、照射5週後には炎症細胞浸潤の増強と胞隔炎を認めた。 傷害肺組織の肺胞II型上皮細胞の細胞質内サーファクタント封入体であるlamellar body(LB)を可視化したところ、照射2週後よりLB陽性細胞が認められ、その後、それらの細胞数およびLBの数とサイズが4週後まで増加し、肺傷害後の肺サーファクタント産生の増加が示唆された。 肺組織全体からのRNA収量はサイトカインなどのmRNAの増加や炎症細胞数の増加などを反映し照射3から5週後に有意に増加した。照射4週後のSP-A,-B,-C,-DのmRNA発現は、肺組織全体で増加した。しかしながら、親水性のSPであるSP-A,-D mRNAと比較し、疎水性のSP-B,-C mRNA発現は有意に減少していた。これらの結果から、肺胞の表面張力を低下させ肺胞構造の安定化を担うSP-B、SP-Cの相対的減少がサーファクタント組成を変化させ、肺胞表面張力を上昇させ肺胞虚脱を促進し、肺の線維化(リモデリング)に関与する可能性が示唆された。 傷害に伴う肺胞II型上皮細胞のアポトーシスに関してTUNEL染色による検出を試みたが、明らかなアポトーシスは認めなかった。 急性肺傷害時の肺サーファクタント蛋白質組成の変化は、その産生の面のみならず、蛋白分解酵素などによる蛋白質構造の障害や血液中への逸脱に伴う量的減少が考えられる。量的に減少する疎水性SPを含有する人工サーファクタントの傷害肺への投与が、呼吸状態を改善させ、リモデリングを抑制する可能性が示唆された。