論文 - 田口　裕紀子

広範囲熱傷患者に使用する体圧分散ベッドの検討 身体背面の物理的負荷の比較から

田口 裕紀子, 佐長 舞, 秋田 奈美, 亘 文恵, 武山 佳洋, 奈良 理, 浅井 康文

熱傷 ( (一社)日本熱傷学会 )  31 ( 5 ) 283 - 290  2005年12月

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広範囲熱傷患者に適切な体圧分散ベッドを選択するために,健常成人10名を被験者に,空気流動型ベッド(ベッド),高機能圧切替型エアマットレス(エアマットレス)使用時の身体背面の物理的負荷を比較した.仙骨部の体圧は,エアマットレス使用時には35.2±12.4mmHgで,ベッド使用時の22.2±3.9mmHgと比べて有意に高かった.ベッドは,背部と臀部において,体圧とBMIとの間に有意な正の相関を認めた.エアマットレスは,仙骨部において,BMIとの間に有意な負の相関を認めた.両機種間の体圧差は,BMIの増加に伴って減少した.両機種間にズレ力の差はみられず,平均値はいずれも4N以下であった.空気流動型ベッドは体圧分散効果が高く,特に骨突出部位に有効であると考えられた.高機能圧切替型エアマットレスは,BMIが高い場合,空気流動型ベッドと同等の除圧効果をもつと考えられた.各機種の体圧分散効果の特徴と患者の熱傷部位,BMI等を考慮して広範囲熱傷患者に対するベッドを選択すべきだと思われた