北 愛里紗

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所属

医学部 解剖学第二講座

職名

助教

 

共同研究・競争的資金等の研究課題 【 表示 / 非表示

  • 生体内再生能を有する微小細切化軟骨をコーティングした人工材料移植技術の開発

    基盤研究(C)

    研究期間:

    2022年04月
    -
    2025年03月
     

    四ッ柳 高敏, 浜本 有祐, 北 愛里紗, 山下 建, 柿崎 育子

  • 糖尿病性潰瘍を骨髄から治すー骨髄自律神経修復による根治療法の開発

    若手研究

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2023年03月
     

    北 愛里紗

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    糖尿病患者では治癒力の低下から皮膚潰瘍が骨にまで達し難治となる。骨髄間葉系幹細胞および脂肪前駆細胞は、糖尿病患者および糖尿病マウスの体内では本来の挙動を示していないことが過去の報告から明らかになっている。本研究ではこの原因として、皮下脂肪と骨髄に着目して研究を進めた。その中で、糖尿病モデルマウス(Leprdb/db)の皮下脂肪を非糖尿病モデルマウス(Leprdb/+)に移植した場合著しく創傷治癒が遅延したことから、皮下脂肪に着目して検討を行った。すると、糖尿病モデルマウスの創傷治癒過程で皮下脂肪に存在する間葉系細胞の細胞老化が非糖尿病モデルマウスと比較して異常化し、創傷治癒を阻害していることが明らかになった。細胞老化は、細胞にダメージが加わったときに異常な増殖を防ぐための生体防御システムであり、老化細胞はすぐには死滅せずに自らの増殖を止めると様々な因子の分泌現象(senescent associated secretary phenotype; SASP)を起こす。この皮下脂肪の老化細胞によるSASPが糖尿病モデルマウスの創傷治癒に影響するのではないかと考え、糖尿病モデルマウスおよび非糖尿病モデルマウスの皮下脂肪組織から培養上清を回収し、メンブレン抗体アレイを行った。糖尿病モデルマウスおよび非糖尿病モデルマウスの皮下脂肪由来分泌物で、構成タンパク質が異なることが明らかになった。さらに、皮膚由来線維芽細胞にそれぞれ糖尿病モデルマウスおよび非糖尿病モデルマウスの皮下脂肪由来分泌物を添加培養してスクラッチアッセイを行った。すると、糖尿病モデルマウス由来分泌物は線維芽細胞の増殖を抑制し、糖尿病の皮下脂肪由来の分泌物が皮膚の創傷治癒に影響することが推測された。糖尿病および非糖尿病のヒトの創部から採取した検体を用いて組織学的に細胞老化の経時的変化を確認したところ、コントロールおよび糖尿病モデルマウスの場合と同様の変化が起こっていることがわかった。