Misc - UKAI Wataru

気分障害における細胞内情報伝達機能障害機構の検討

小山 司, 久住 一郎, 鵜飼 渉, 館農 勝, 紺野 雅人, 山本 恵, 橋本 恵理, 齋藤 利和, 本望 修, 相馬 仁, Riederer Peter

厚生労働省精神・神経疾患研究総括研究報告 新しい診断・治療法の開発に向けた精神疾患の分子メカニズム解明に関する研究 ( 厚生労働省精神・神経疾患研究班 )  ( 平成12〜14年 ) 57 - 59  2004.03

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双極性障害では,アゴニスト刺激性血小板内カルシウム(Ca)濃度増加反応亢進所見が認められる.細胞内情報伝達系の二つの主要経路であるプロテインキナーゼC(PKC)系ならびにカルモジュリン(CaM)系のCa反応に対する調節機構を検討するとともに,リチウムとバルプロ酸の作用機序との関係も検討した.Ca反応亢進のメカニズムにPKC系とCaM系の調節障害が関与し,リチウムは主にCaM系,バルプロ酸はPKC系を介して作用している可能性が示唆された.さらに,細胞内Ca貯蔵部位の小胞体膜に存在するCa-ATPaseポンプ(SERCA)の機能低下もCa反応亢進に関与している可能性が考えられた

【抗精神病薬のNeuroprotection作用】 抗精神病薬の神経細胞障害性における定型と非定型抗精神病薬の違い

鵜飼 渉, 館農 勝, 山本 恵, 橋本 恵理, 池田 官司, 小澤 寛樹, 齋藤 利和

臨床精神薬理 ( (株)星和書店 )  7 ( 3 ) 341 - 348  2004.03

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統合失調症患者脳における形態・構造変化の報告に基づいて,各種抗精神病薬による治療の際の錐体外路症状(EPS)発現率,陰性症状・認知障害の改善率と,薬物の神経細胞障害性との関連に着目した.大脳皮質神経細胞を用いた検討において,定型抗精神病薬のhaloperidolは長期処置によって神経細胞にアポトーシスを誘導した.一方,clozapineを例外としてセロトニン・ドーパミン阻害薬(SDA),多元受容体作用型抗精神病薬(MARTA)と称される非定型抗精神病薬の神経細胞への障害性は低く,これらの薬剤の神経細胞の生存そのものに対する影響の違いと臨床上の特徴との関連が推測された.又,haloperidolによる神経細胞アポトーシスの誘導にPI 3-Kinase Akt系の活性低化とカスパーゼ3活性化が関与することが判明した

神経幹細胞分化誘導能に及ぼす抗うつ薬の影響に関する研究

鵜飼 渉, 館農 勝, 山本 恵, 橋本 恵理, 池田 官司, 小澤 寛樹, 齋藤 利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 )  ( 36 ) 153 - 159  2004.03

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脳の神経細胞は,発達段階ばかりでなく,成人においても新生され,これによって神経ネットワークの改築・更新が常に行われている.この神経ネットワークを構成する神経細胞の新生能や,神経細胞への分化能に大きく関わっているのが自己複製能と多分化能を有した未分化な細胞,神経幹細胞である.今回,抗うつ薬が神経幹細胞の分化に影響を与えているか否かについて,ラット胎仔脳より得た神経幹細胞を用いてその神経細胞への分化誘導能を測定・評価する系を構築し,その作用がBrain derived neurotrophic factor(BDNF)発現増加を伴ったものかどうかについて検討した

エタノールによる脳内神経回路網改変の可能性 エタノールの神経細胞の新生及び生存に与える影響

山本 恵, 鵜飼 渉, 館濃 勝, 齋藤 利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 )  39 ( 1 ) 51 - 60  2004.02

CiNii

Neurotoxic potential of haloperidol in comparison with risperidone: Implication of Akt-mediated signal changes by haloperidol

Ukai, W, Tateno, M, Hashimoto, E, Saito, T, Ozawa, H

Journal of Neural Transmission   111 ( 6 ) 667 - 681  2004

DOI

The Effects of antidepressants and moodstabilizers on the differentiation of neural stem cells

UKAI Wataru, OZAWA Hiroki, TATENO Masaru, KONNO Masato, YAMAMOTO Megumi, IKEDA Hiroshi, SAITO Toshikazu

日本神経精神薬理学雑誌 = Japanese journal of psychopharmacology   23 ( 6 ) 272 - 272  2003.12

CiNii

A study of the pathophysiology of fetal alcohol syndrome (FAS) by using neural stem cells

TATENO Masaru, UKAI Wataru, KONNO Masato, YAMAMOTO Megumi, IKEDA Hiroshi, OZAWA Hiroki, SAITO Toshikazu

日本神経精神薬理学雑誌 = Japanese journal of psychopharmacology   23 ( 6 ) 316 - 316  2003.12

CiNii

【うつ病 新たな治療法の開発】 ヒト神経幹細胞を用いたうつ病の治療

鵜飼 渉, 小澤 寛樹, 館農 勝, 紺野 雅人, 齋藤 利和

脳の科学 ( (株)星和書店 )  25 ( 11 ) 1063 - 1069  2003.11

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これまでうつ病の病態研究に関しては,神経伝達物質更には脳情報伝達系の異常へと研究が発展し,最近では神経可塑性の問題が研究されている.一方,基礎的な研究を主体として,哺乳類の脳においては再生しないと考えられていた神経細胞が,実は成体ヒト,老齢の脳でも神経幹細胞が存在し,神経細胞に活発に代謝回転しているということが分かってきた.これらのことから,うつ病の病態或いは治療において神経幹細胞の果たす役割は大きいと考えられる.更に,アルツハイマー病や脊髄損傷における神経系の再生治療を目的に神経幹細胞を応用した移植療法や,最近では間葉系幹細胞の経静脈内投与による治療なども考えられてきている.そこで,神経幹細胞を用いたうつ病治療に関する知見・試みについて言及した

神経幹細胞の分化誘導制御に対するエタノールの影響

館農 勝, 小澤 寛樹, 鵜飼 渉, 山本 恵, 土岐 完, 池田 官司, 齋藤 利和

アルコールと医学生物学 ( (株)響文社 )  23   115 - 120  2003.09

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アルコールによる神経細胞,ならびに神経幹細胞内の情報伝達系変化を明らかにしていく目的で,ラット胎仔の大脳皮質より得た神経細胞,および終脳より得た神経幹細胞を用いてエタノールを単独または神経栄養因子とともに処置し,神経細胞の生存と神経幹細胞の分化誘導におよぼすエタノールの影響について検討した.エタノールが,特に栄養因子を介した分化誘導のシグナル伝達系に働きかけてその情報伝達系に機能変動を生じさせる可能性が示唆された

CiNii

定型・非定型抗精神病薬の神経細胞障害性に関する研究

館農 勝, 小澤 寛樹, 鵜飼 渉, 紺野 雅人, 佐々木 竜二, 山口 高史, 吉田 拓, 池田 官司, 齋藤 利和

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 )  ( 35 ) 168 - 175  2003.03

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ラット大脳皮質初代培養系を用いて,定型・非定型抗精神病薬の神経細胞生存に与える影響について検討した.その結果,定型抗精神病薬であるハロペリドールの処置により,大脳皮質神経細胞に濃度・時間依存的な細胞死が誘導された.また,各薬剤による神経細胞障害性を比較検討した結果,ハロペリドールが最も強く神経細胞に障害を誘導することが判明した

神経幹細胞の分化誘導能に及ぼす抗うつ薬・気分安定薬の影響

鵜飼渉, 小澤寛樹, 館農勝, 紺野雅人, 山本恵, 酒井理恵, 池田官司, 齋藤利和

神経化学   42 ( 2 ) 281 - 281  2003

Induction of caspase dependent apoptosis on cortical neurons by the treatment of antipsychotic drugs

UKAI Wataru, OZAWA Hiroki, TATENO Masaru, CHOUEI Hiroshi, YAMADA Shingo, KONNO Masato, SAITO Toshikazu

日本神経精神薬理学雑誌 = Japanese journal of psychopharmacology   22 ( 6 ) 352 - 352  2002.12

CiNii

アルコールによる細胞内Ca2+情報伝達素子の発現変化と細胞障害性

相馬 仁, 大川 浩子, 酒井 理恵, 橋本 恵理, 鵜飼 渉, 齋藤 利和

アルコールと医学生物学 ( (株)響文社 )  22   4 - 9  2002.12

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ヒト由来ニューロブラストーマ細胞(SH-SY5Y),ラット由来グリオーマ細胞(C6)およびそれらの神経初代培養細胞である胎児ラット海馬より調整した細胞を用いてエタノールによる細胞障害性とアネキシンIVのNFκB活性化への関与など生理的役割について検討した.その結果,200mM以上のエタノールに24時間曝露した場合,いずれの神経培養細胞でも細胞障害性が認められた.各神経培養細胞にアネキシンIVの強制発現を行い,エタノールによる細胞障害活性の検討では,いずれの細胞でもアネキシンIVの発現増大により障害活性が増大することが示された.一方,エタノールの曝露がなければアネキシンIVの強制発現による細胞障害性は認められなかった.次にC6細胞を用いてアネキシンIVの発現増大によるエタノール細胞障害の増強がNFκB活性化を伴うか検討した結果,アネキシンIVの強制発現によってエタノールによる核内のNFκB量は有意に増加した.以上より,アネキシンIVの発現増大によるエタノール細胞障害性の増強はNFκBの活性増強を介することが示唆された

アルコールによる細胞・組織障害の分子メカニズム アルコールによる神経細胞アポトーシスの分子メカニズム

相馬 仁, 大川 浩子, 酒井 理恵, 橋本 恵理, 鵜飼 渉, 齋藤 利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 )  37 ( 4 ) 306 - 307  2002.08

Imbalance of second messengers in pathophysiology of affective disorders

T Yamaguchi, H Ozawa, W Ukai, E Hashimoto, M Sasaki, H Ishikawa, S Shichinohe, T Saito, R Riederer

INTERNATIONAL CLINICAL PSYCHOPHARMACOLOGY ( LIPPINCOTT WILLIAMS & WILKINS )  17   S153 - S154  2002.08

Research paper, summary (international conference)  

Intrinsic death mediator of homocysteic acid for Alzheimer's and Parkinson's diseases

T Hasegawa, W Ukai, M Nakagawa, T Yamada

NEUROBIOLOGY OF AGING ( ELSEVIER SCIENCE INC )  23 ( 1 ) S520 - S520  2002.07

Research paper, summary (international conference)  

Different modes of action of catecholamine-O-methyltransferase inhibitors entacapone and tolcapone on adenylyl cyclase activity in vitro

Gerlach, M, Ukai, W, Ozawa, H, Riederer, P

Journal of Neural Transmission   109 ( 5-6 ) 789 - 795  2002

DOI

気分障害の治療と病態におけるG蛋白質細胞膜内分布の役割

土岐 完, 小澤 寛樹, 千田 敏, 山口 高史, 鵜飼 渉, 齋藤 利和, Rasenick Mark・M, Donati Robert・J

精神薬療研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 )  ( 32 ) 216 - 222  2000.03

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抗鬱剤の慢性投与がG蛋白質の細胞膜内での分布及びG蛋白質とcaveolinの共役の変化にあたえる影響について検討した.抗鬱剤慢性処置後のC6細胞粗膜標品からは,対照群よりも多くのGsαがTriton X-100によって抽出され,より強い界面活性剤であるTriton X-114によって抽出されるGsαの量は減少していた.又,caveolinに富む細胞膜分画に含まれるGsαの量は,抗鬱剤慢性処置群では対照群と比較して減少していた.このようなGsαの細胞膜内での分布の変化が,抗鬱剤慢性投与によるGsαとアデニル酸シクラーゼの共役の増加に関与している可能性が示唆された.鬱病患者死後脳の粗膜標品では,対照群と比較して,Gsαが,Triton X-100によって抽出されない細胞膜内の疎水性の高い部分に多く分布しており,Gsαの細胞膜内分布の異常が感情障害の病態に影響を与えている可能性が示唆された

アルコール依存症者の血小板アデニル酸シクラーゼ系(第5報)

片村 能也, 鵜飼 渉, 小澤 寛樹, 大川 浩子, 山田 真吾, 齋藤 利和

日本アルコール・薬物医学会雑誌 ( 日本アルコール・薬物医学会 )  34 ( 4 ) 410 - 411  1999.08

【精神障害への分子的アプローチ】 感情障害とセカンドメッセンジャー アデニル酸シクラーゼ(AC)系とホスホリパーゼC(PLC)系の不均衡仮説

小澤 寛樹, 山口 高史, 鵜飼 渉, 常松 理枝子, 齋藤 利和

脳の科学 ( (株)星和書店 )  21 ( 4 ) 359 - 367  1999.04