Misc - 柴田　豪

手術ハイリスク患者のComplex aortic aneurysmに対するPhysician modified inner branched endovascular repairの早期成績

柴田 豪, 伊庭 裕, 中島 智博, 仲澤 順二, 大川 陽史, 保坂 到, 在原 綾香, 對馬 慎吾, 川原田 修義

日本外科学会定期学術集会抄録集 ( (一社)日本外科学会 )  123回   SF - 5  2023年04月

胸腹部大動脈瘤術後対麻痺の経過中に生じた大腿骨近位部周囲Neurogenic heterotopic ossificationの経験

保坂 到, 伊庭 裕, 對馬 慎吾, 柴田 豪, 仲澤 順二, 中島 智博, 川原田 修義

日本心臓血管外科学会雑誌 ( (NPO)日本心臓血管外科学会 )  52 ( 2 ) 128 - 132  2023年03月

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症例は生来著患のない59歳男性.検診で高血圧症を指摘され近医を受診した.精査のCT検査でCrawford II型相当の胸腹部大動脈瘤が指摘され,精査加療目的に当科紹介となった.手術侵襲を低減させる目的で,一期目に全弓部置換術,二期目に胸部ステントグラフト内挿術,三期目にIII型相当の胸腹部置換術を行う計画的分割手術を施行した.三期目の胸腹部置換術後に対麻痺を認め種々の支持療法にても改善を得られず,下肢麻痺および膀胱直腸障害が残存した.リハビリ施行ののち術後67日目に回復期病院に転院となった.転院後褥瘡形成や反復する尿路感染を認め抗生剤加療が開始されていたが改善に乏しく,またCT上両側大腿骨周囲に血腫形成と異所性骨化を認め,集学的治療が必要と判断され転院後約4ヵ月で当院へ再入院となった.臨床経過および画像所見から術後対麻痺に合併したNeurogenic heterotopic ossificationと診断した.褥瘡および尿路感染に対する抗生剤加療を継続すると同時に,強度に留意しながらリハビリを継続することで異所性骨化の増悪を認めず経過した.入院後44日目に皮弁を施行し,79日目に再転院となった.Neurogenic heterotopic ossification自体の病態生理は不明な点が多く治療法も定まったものはないが,術後対麻痺を合併した症例においてはNeurogenic heterotopic ossificationが生じるリスクにより術後のリハビリ自体が制限され,手術侵襲からの回復やADL維持を困難にさせる可能性が考えられた.リスク因子に対する適切な予防マネージメントを講じ,早期発見に務めることが重要と考えられた.(著者抄録)

体外循環中ヘパリン濃度測定による抗凝固管理下で開心術を施行した抗リン脂質抗体症候群合併の1例

梅田 璃子, 中島 智博, 伊庭 裕, 保坂 到, 大川 陽史, 安田 尚美, 柴田 豪, 仲澤 順二, 川原田 修義

日本心臓血管外科学会雑誌 ( (NPO)日本心臓血管外科学会 )  52 ( 1 ) 9 - 13  2023年01月

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症例は72歳女性.2014年より全身性エリテマトーデス,抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid antibody syndrome;APS)加療のために通院中であった.2020年にリウマチ性重症僧帽弁狭窄症(mitral valve stenosis;MS)により労作時息切れが出現し,あわせて発作性心房細動と冠動脈狭窄を指摘され,手術の方針となった.手術は僧帽弁置換術+三尖弁輪形成術+冠動脈バイパス+肺静脈隔離術+左心耳閉鎖術を行った.APSによる活性化凝固時間(active clotting time;ACT)延長に対する対策として,術中の人工心肺における抗凝固管理は,HMS PLUSを用いて血中ヘパリン濃度指標下に抗凝固管理を行った.周術期に出血性合併症や血栓塞栓症は認めず,術後23日目に自宅退院した.今回,APL患者の人工心肺を用いた開心術において,目標ヘパリン濃度を3.5U/mlに設定しHMS PLUSによるヘパリン濃度測定下に抗凝固管理を行い,合併症なく経過したため報告する.(著者抄録)

PICC抜去困難に対する治療経験 外科的摘出例と血管内手技の応用例

大川 陽史, 伊庭 裕, 對馬 慎吾, 保坂 到, 柴田 豪, 仲澤 順二, 中島 智博, 川原田 修義

日本臨床外科学会雑誌 ( 日本臨床外科学会 )  83 ( 12 ) 2123 - 2124  2022年12月

ファロー四徴症術後遠隔期の再肺動脈弁置換術時における大動脈損傷の1例

伊庭 裕, 中島 智博, 仲澤 順二, 柴田 豪, 大川 陽史, 保坂 到, 對馬 慎吾, 川原田 修義

北海道外科雑誌 ( 北海道外科学会 )  67 ( 2 ) 199 - 200  2022年12月

外科手技のラーニングカーブには何が影響を与えるのか? 医学生を対象とした前向き介入研究

仲澤 順二, 對馬 慎吾, 保坂 到, 大川 陽史, 柴田 豪, 中島 智博, 伊庭 裕, 川原田 修義

北海道外科雑誌 ( 北海道外科学会 )  67 ( 2 ) 182 - 182  2022年12月

右鎖骨下動脈への中心静脈カテーテル誤挿入に対し血管内治療を施行した1例

梅田 璃子, 中島 智博, 伊庭 裕, 保坂 到, 大川 陽史, 安田 尚美, 柴田 豪, 川原田 修義

日本心臓血管外科学会雑誌 ( (NPO)日本心臓血管外科学会 )  51 ( 6 ) 368 - 371  2022年11月

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症例は88歳男性.右腎盂癌に対し腹腔鏡下右腎尿管摘除術後に,誤嚥性肺炎と敗血症を発症した.中心静脈栄養のために,右内頸静脈から外径12Gの中心静脈カテーテル(CVC:Central Venous Catheter)が留置された.翌日,点滴接続の際に拍動性の逆血を認め,造影CTにて右内頸静脈から挿入されたCVCが右鎖骨下動脈に穿通し,CVC先端は上行大動脈内に達していた.圧迫止血,経皮的止血デバイスによる止血,直視下止血,血管内治療を対応として検討したが,われわれは血管内治療を選択した.全身麻酔下に右腋窩動脈アプローチで末梢用ステントグラフトGORE VIABAHN VBXを留置し,周術期に合併症を認めずに経過した.CVC留置に伴う動脈挿入を起こした際には血管外科医へのコンサルテーションが推奨され,治療方針に関する明確な指針は存在しない.動脈穿通部位,血管走行,年齢や合併症,全身状態などを考慮し,十分な検討をした上で適切に治療法を決定できたと考えられる.(著者抄録)

TEVARやFET法後の再人工血管置換術 TEVAR後のOpen aortic repairの手術戦略

伊庭 裕, 中島 智博, 仲澤 順二, 柴田 豪, 大川 陽史, 保坂 到, 對馬 慎吾, 川原田 修義

日本胸部外科学会定期学術集会 ( (一社)日本胸部外科学会 )  75回   CWS6 - 3  2022年10月

胸部大動脈手術においてRescue CSFDは有効か?

中島 智博, 對馬 慎吾, 保坂 到, 大川 陽史, 柴田 豪, 仲澤 順二, 伊庭 裕, 川原田 修義

脈管学 ( (一社)日本脈管学会 )  62 ( Suppl. ) S129 - S129  2022年10月

大動脈-腸骨動脈閉塞病変に対する血管内治療でカバードステントを使用したものの腸骨動脈破裂が生じた一例

柴田 豪, 梅田 璃子, 保坂 到, 大川 陽史, 安田 尚美, 中島 智博, 伊庭 裕, 川原田 修義

日本臨床外科学会雑誌 ( 日本臨床外科学会 )  83 ( 10 ) 1846 - 1846  2022年10月

広範囲大動脈瘤に対して3期的治療を行なった1例

大川 陽史, 川原田 修義, 梅田 璃子, 保坂 到, 保田 尚美, 柴田 豪, 中島 智博, 伊庭 裕

日本臨床外科学会雑誌 ( 日本臨床外科学会 )  83 ( 10 ) 1849 - 1849  2022年10月

胸部大動脈瘤および胸腹部大動脈瘤におけるスパイナルドレナージを必要とした症例の後方視的検討

中島 智博, 對馬 慎吾, 保坂 到, 大川 陽史, 柴田 豪, 仲澤 順二, 伊庭 裕, 川原田 修義

日本胸部外科学会定期学術集会 ( (一社)日本胸部外科学会 )  75回   COP39 - 2  2022年10月

低体温循環停止による上行置換・弓部置換術に対する冷却度解析

佐藤 宏, 伊庭 裕, 川原田 修義, 深田 穣治, 對馬 慎吾, 保坂 到, 大川 陽史, 柴田 豪, 仲澤 順二, 中島 智博, 田宮 幸彦

日本胸部外科学会定期学術集会 ( (一社)日本胸部外科学会 )  75回   CP17 - 2  2022年10月

低体温循環停止による上行置換・弓部置換術後の一時的脳機能障害に対する温度解析

中西 敬太郎, 佐藤 宏, 伊庭 裕, 川原田 修義, 對馬 慎吾, 保坂 到, 大川 陽史, 柴田 豪, 仲澤 順二, 中島 智博, 長谷川 武生, 新垣 正美, 石川 和徳

日本胸部外科学会定期学術集会 ( (一社)日本胸部外科学会 )  75回   COP21 - 1  2022年10月

心筋保護投与法の比較検討 大動脈弁単弁置換術における順行性間欠的冠灌流法と逆行性持続性冠灌流法の術後心機能への影響

仲澤 順二, 川原田 修義, 伊庭 裕, 中島 智博, 柴田 豪, 大川 陽史, 保坂 到, 對馬 慎吾

日本胸部外科学会定期学術集会 ( (一社)日本胸部外科学会 )  75回   COP44 - 2  2022年10月

感染性胸部大動脈疾患に対する大網充填合併施行症例の長期成績に関する検討

保坂 到, 伊庭 裕, 對馬 慎吾, 大川 陽史, 柴田 豪, 仲澤 順二, 中島 智博, 川原田 修義

日本胸部外科学会定期学術集会 ( (一社)日本胸部外科学会 )  75回   COP21 - 3  2022年10月

術後虚血性脊髄障害における梗塞パターンの多様性

安田 尚美, 對馬 慎吾, 保坂 到, 大川 陽史, 柴田 豪, 仲澤 順二, 中島 智博, 伊庭 裕, 川原田 修義

脈管学 ( (一社)日本脈管学会 )  62 ( Suppl. ) S159 - S159  2022年10月

右心室内まで腫瘍塞栓が進展した右腎細胞癌に対する体外循環下腫瘍切除および下大静脈再建を施行した1例

大川 陽史, 伊庭 裕, 梅田 璃子, 保坂 到, 安田 尚美, 柴田 豪, 中島 智博, 川原田 修義

日本心臓血管外科学会雑誌 ( (NPO)日本心臓血管外科学会 )  51 ( 4 ) 249 - 253  2022年07月

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症例は52歳男性、尿病性腎症で45歳より維持透析を導入されていた。貧血精査目的のCTで右腎腫瘍を指摘され当院泌尿器科へ紹介となった。精査の結果、下大静脈(IVC)内に腫瘍塞栓を伴い右心室まで進展する原発性右腎癌の診断を受け腫瘍切除術の方針となり、当心臓血管外科も合同で手術を行うこととなった。腹部正中切開を行い、消化器外科により肝臓の脱転とIVC露出を行い、泌尿器科による右腎の剥離を行った。その後当科で創を前胸部に延長し胸骨正中切開を行った。上行大動脈に送血管を留置し、脱血管は上大静脈(SVC)と腹部左腎静脈合流部より末梢のIVCに2ヶ所留置して体外循環を確立した。SVCをスネアで遮断して、右房切開を行い、IVCから右房への血液は吸引しながら観察すると腫瘍はIVCから右房内に進展し三尖弁に陥頓しかけていたため、できるだけ右房側に牽引してIVC-右房接合部付近で離断して摘出し、右房は縫合閉鎖した。つづいて右腎静脈合流部よりIVCを中枢方向へ切開し右腎静脈合流部の静脈壁とともに右腎腫瘍を切除し、欠損したIVC壁はパッチ閉鎖にて再建した。術後合併症なく術後29日目に独歩退院となった。悪性腫瘍の症例に対する体外循環の使用は種々の議論があるが、本症例のようにIVCから心内へ進展した悪性腫瘍の完全切除を行う場合、体外循環を使用することで確実に腫瘍を切除でき、また安全に手術を施行するための有効な手段と考えられた。(著者抄録)

当院におけるTransapical TAVIの短中期成績に関する後方視的検討

保坂 到, 川原田 修義, 梅田 璃子, 大川 陽史, 安田 尚美, 柴田 豪, 中島 智博, 伊庭 裕, 國分 宣明

北海道外科雑誌 ( 北海道外科学会 )  67 ( 1 ) 33 - 38  2022年06月

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【背景】Transcatheter aortic valve implantation(;TAVI)の適応が拡大する一方、ときにtransfemoral(;TF)以外のアクセスが必要となる場合がある。特にtransapical approach(;TA)は開胸および心操作による侵襲を伴い、その成績をTFと比較した文献は少ない。【対象】2015年11月から2021年6月において当院で施行したTAVI症例を対象とし、アクセス別に30日死亡率や合併症発生率、在院日数を比較した。【結果】計186例にTAVIを施行した(TF群:171例(91.9%)、TA群:14例(7.5%)、Trasiliac:1例(0.5%))。TA群はより高齢で末梢動脈疾患が有意に多かった。両群とも手技関連死は0例であったが、術後腎不全や肺炎を合併し在院死亡に至った症例があり、30日死亡率はそれぞれTA群14%(2/12例)vs.TF群1.2%(2/171例)であった(p=0.03)。主要合併症発生率はTA群21.4%vs.TF群24.6%(p=0.79)、在院日数はTA群21日(20-30日)vs.TF群21日(16-28日)(p=0.82)と差を認めなかった。【結論】TFが困難な症例で検討されるTAは血管性状の悪さから術中トラブルや周術期合併症のリスクが高いことが予想されたが、合併症率や在院日数については同等の結果であった。(著者抄録)

【弓部大動脈手術の現状と最近の課題】

伊庭 裕, 中島 智博, 仲澤 順二, 柴田 豪, 大川 陽史, 保坂 到, 對馬 慎吾, 川原田 修義

北海道外科雑誌 ( 北海道外科学会 )  67 ( 1 ) 10 - 15  2022年06月

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胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR)の普及により、胸部大動脈瘤の治療戦略は大きな転換期を迎えた。しかし弓部大動脈瘤に関してはその分枝血流の維持が必要になるため、ステントグラフトを用いる場合、開窓型デバイスを用いたTEVAR、弓部分枝へのバイパスを併用するハイブリッドTEVARなどを考慮することになる。そのため従来の弓部大動脈置換術の役割は未だに大きい。弓部大動脈置換術において重要なポイントは、臓器保護と出血対策である。またハイブリッド手術では瘤の位置によりステントグラフトの留置範囲は異なり、弓部分枝再建のためにさまざまな工夫が報告されている。また今後、分枝型デバイスなどの完全血管内治療が可能なデバイスが市販されればさらに選択肢は広がるかもしれない。そのため我々はそれぞれの治療方法を理解した上で、患者個々についての手術リスクを十分評価し、その病因や余命なども考慮に入れて適切な治療方法を選択することが重要である。(著者抄録)