講演・口頭発表等 - 田所　重紀

精神医学は人間の行動生態に関する医学である

田所重紀

第116回日本精神神経学会学術総会  

発表年月： 2020年09月

「あるがまま」ってどういうこと？

田所重紀  [招待有り]

北海道森田療法セミナー  

発表年月： 2021年11月

価値中立的な「心の健康」の定義は可能か？―メンタルヘルス基礎論の観点から

田所 重紀

第115回日本精神神経学会学術総会   (新潟市 朱鷺メッセ) 

発表年月： 2019年06月

　概要を見る

本発表では、精神医学における最終目標を普遍的かつ客観的に定位すべく、価値中立的な「心の健康」の定義を試みた。そのために演者は、人間の心の働きを「社会文化的環境への適応を助ける機能」とみなす「生態学的機能主義」と名づけた立場の論考と、人間がもつ自然な欲望や感情に依拠して「心の健康」を基礎づけた森田正馬の論考を援用し、自然主義的実在論の立場に基づく「心の健康」の定義が可能であることを示した。

実存、哲学からみる精神療法・心理療法

田所重紀  [招待有り]

北海道森田療法セミナー  

発表年月： 2023年02月

「森田人間学に基づく精神療法」への道（第一報）―新しい入院森田療法を求めて

田所 重紀

第32回日本森田療法学会 東京慈恵会医科大学  

発表年月： 2014年11月

　概要を見る

演者は、森田療法を「森田療法かくあるべし」という呪縛から解き放つべく、森田正馬の言説から「健康な心のあり方」および「そのようなあり方を実現する方法論」を抽出して「森田人間学」なるものを構築し、それをもとに「森田人間学に基づく精神療法」と呼ぶ新しい精神療法を開発・実践している。本発表では、その入院治療への応用のし方を、具体的な治療例を交えて考察した。

日本の「森田療法」から世界の「自然人間学」へ（学会奨励賞講演）

田所 重紀  [招待有り]

第37回日本森田療法学会   (浜松市) 

発表年月： 2019年10月

　概要を見る

演者は、森田療法がメンタルヘルス関連領域においてより広く活用されるようになるために、神経症に関する病態理論や治療理論から離れ、「心の健康な有り様とその実現方法」に関する森田正馬独自の洞察を素材として、「自然人間学」と名づけた、他の関連理論と比較対照し得る普遍的かつ体系的な「メンタルヘルスの基礎理論」の構築を試みている。本講演では、このような研究を始めた経緯や目論見も含めて自然人間学の概要について説明した上で、この自然人間学を、大学や職場の心理相談における介入法、メンタルヘルスリテラシー教育、心理臨床家が備えるべきプロフェッショナル・メンタルヘルスリテラシーなどに応用する試みについても発表した。

生物学的精神医学は「機械の中の幽霊」を駆逐できたのか

田所 重紀

第114回日本精神神経学会学術総会   (神戸国際会議場) 

発表年月： 2018年06月

　概要を見る

ライルが「機械の中の幽霊」と揶揄した「非物質的で私秘的ながら環境中の物質と相互作用することのできる摩訶不思議な心」は、現代の生物学的精神医学においても依然として駆逐されていない。というのも現代の生物学的精神医学は、「心の働き」を「脳の活動」と同一視することにより、「機械の中の幽霊」を「脳」に閉じ込めてしまっているからである。本発表では、「心の働き」の本態を「一個体の人間を社会文化的環境に適応させる機能」とみなすことにより、「機械の中の幽霊」を駆逐することを試みた。