論文 - 池田　望

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発達障害領域の作業療法にもたらした影響

齊藤 秀和, 横山 和樹, 森元 隆文, 太田 久晶, 池田 望

総合リハビリテーション ( (株)医学書院 )  49 ( 11 ) 1095 - 1102  2021年11月

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＜文献概要＞【背景】新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019;COVID-19)により,社会的な行動変容が求められており,在宅の対象者も多い発達障害領域の作業療法にも大きな影響を与えることが予想される.今回,COVID-19が発達障害領域の作業療法に与える影響を探索的に検討した.【対象】北海道内の病院・施設に所属する作業療法部門代表者を対象とした郵送法によるアンケート調査のうち,発達障害領域の45名の回答を抽出した.【方法】北海道独自および全国の緊急事態宣言を基準に分類した3期と宣言の発出前を比較し,評価・治療内容の変化,および作業療法実施上の制限・対策について,自由記載形式のアンケートにて回答を求めた.【結果】緊急事態宣言の発出により,多くの施設で訓練・プログラムの中止などの制限を受けていた.一方で作業療法の完全な停止までは至らず,外出自粛に伴うストレスの発散や家庭での活動など,新たな介入が模索されていた.【結語】感染対策に留意したうえで,評価・治療内容を工夫することにより,継続的な作業療法の実施や,COVID-19によって生じた新たな問題への対応につながると考えられる.

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発達障害領域の作業療法にもたらした影響

齊藤 秀和, 横山 和樹, 森元 隆文, 太田 久晶, 池田 望

総合リハビリテーション ( (株)医学書院 )  49 ( 11 ) 1095 - 1102  2021年11月

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＜文献概要＞【背景】新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019;COVID-19)により,社会的な行動変容が求められており,在宅の対象者も多い発達障害領域の作業療法にも大きな影響を与えることが予想される.今回,COVID-19が発達障害領域の作業療法に与える影響を探索的に検討した.【対象】北海道内の病院・施設に所属する作業療法部門代表者を対象とした郵送法によるアンケート調査のうち,発達障害領域の45名の回答を抽出した.【方法】北海道独自および全国の緊急事態宣言を基準に分類した3期と宣言の発出前を比較し,評価・治療内容の変化,および作業療法実施上の制限・対策について,自由記載形式のアンケートにて回答を求めた.【結果】緊急事態宣言の発出により,多くの施設で訓練・プログラムの中止などの制限を受けていた.一方で作業療法の完全な停止までは至らず,外出自粛に伴うストレスの発散や家庭での活動など,新たな介入が模索されていた.【結語】感染対策に留意したうえで,評価・治療内容を工夫することにより,継続的な作業療法の実施や,COVID-19によって生じた新たな問題への対応につながると考えられる.

若年性認知症の本人と配偶者の関係性に関する質的研究 関係性の変化と影響要因

宮嶋 涼, 横山 和樹, 森元 隆文, 竹田 里江, 池田 望

日本認知症ケア学会誌 ( (一社)日本認知症ケア学会 )  20 ( 3 ) 404 - 414  2021年10月

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本研究は、若年性認知症の発症や症状の変化により、本人と配偶者の関係性がどのように変化するのかを明らかにすることを目的とした。若年性認知症の本人の配偶者8人を対象とし、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて実施した。分析の結果、37の概念、14のカテゴリーが生成された。配偶者は診断後、生活を守るという<診断後の考える間もない日々>をすごしながら、病前の関係性により<親近な病前関係による肯定的感情><疎遠な病前関係による否定的感情>を抱いていた。経過のなかで配偶者は、<介護の負担>を感じていたが、家族会への参加などで<心の安定>を図っていた。しかし、配偶者は"自分の生活を大事にしたい"という<自己尊重的態度>や、一方で"なにかをしてあげたい"という<本人への貢献的態度>を示していた。以上から、発症や症状の変化に伴い、配偶者にはさまざまな心理的変化が生じ、早期からの家族支援の重要性が示された。(著者抄録)

【統合失調症の心理社会的治療-どのように使い分け,効果を最大化するか】統合失調症の作業療法 クライエント中心の方法論とリカバリー概念からみた意義と適応

池田 望, 森元 隆文, 横山 和樹

精神医学 ( (株)医学書院 )  63 ( 10 ) 1491 - 1497  2021年10月

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＜文献概要＞精神障害に対する作業療法は治療医学の時代を経て,現在はリハビリテーションの専門領域として地域生活支援も担う本来のありように近づいている。作業療法における「作業」は利用する人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指し,統合失調症では精神症状,認知機能,IADLの改善や地域移行支援,就労支援,生活支援などを目的に治療手段,あるいは目標として用いられる。「作業」は利用者のニーズに合わせて提供される個別性・多様性のあるものであり,クライエント中心の志向性を持つ方法により対話を通して適応される。こうした方法論には「クライエント中心の作業療法」や「生活行為向上マネジメント」があり,近年中核的な概念となってきているパーソナルリカバリーを促進する可能性があるが,その検証は今後の課題である。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発達障害領域の作業療法にもたらした影響

齊藤 秀和, 横山 和樹, 森元 隆文, 太田 久晶, 池田 望

日本作業療法学会抄録集 ( (一社)日本作業療法士協会 )  55回   PQ - 01  2021年09月

新型コロナウイルス感染症状況下における地域在住高齢者の作業機能障害、外出頻度・交流頻度およびQOLとの関連

横山 和樹, 宮嶋 涼, 松崎 由里子, 小塚 直樹, 池田 望

日本作業療法学会抄録集 ( (一社)日本作業療法士協会 )  55回   PN - 34  2021年09月

作業療法におけるピアサポートの内容と作業療法士の役割に関する文献レビュー

横山 和樹, 小笠原 那奈, 小笠原 啓人, 矢部 滋也, 森元 隆文, 池田 望

作業療法の実践と科学 ( (公社)北海道作業療法士会 )  3 ( 3 ) 47 - 55  2021年08月

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本邦の作業療法におけるピアサポートの内容と作業療法士の役割を探索的に明らかにすることを目的に文献レビューを行った.対象文献11編を分析した結果,ピアサポートの内容は,多い順にフォーマルなピアサポート,インフォーマルなピアサポート,仕事としてのピアサポートに分類された.作業療法士の役割は,グループの立ち上げや運営,グループ参加前後の個別支援,当事者の希望や役割等の評価やそれを生かした実践,ピアサポートの活用に向けた治療構造や環境の調整等が報告された.また,ピアサポーターと連携する時の役割として,同等な立場としての関わり,当事者が安心・安全に活動するための体制づくり等が挙げられた.(著者抄録)

Peer Support Formation and the Promotion of Recovery Among People Using Psychiatric Day Care in Japan.

Kazuki Yokoyama, Ryo Miyajima, Takafumi Morimoto, Satoe Ichihara-Takeda, Junichi Yoshino, Kiyoji Matsuyama, Nozomu Ikeda

Community mental health journal    2021年02月  [国際誌]

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The present study aimed to clarify the process of peer support formation and the promotion of recovery in people using psychiatric day care. From January to March 2014, semi-structured interviews were conducted with 18 participants with mental illness living in the community in Japan. The qualitative data were analyzed using a modified grounded theory approach. The results described a two-stage process: (1) awareness of peers with similar disability and distress and (2) formation and utilization of peer support. These results suggest that adjusting the environment and engaging in activities assisting others are useful for facilitating peer support and promoting the recovery of users in psychiatric day care.

DOI PubMed

価値に沿った行動の実践により社交不安症状の軽減が認められた一例

村上 元, 森元 隆文, 西山 薫, 清本 憲太, 池田 望

作業療法の実践と科学 ( (公社)北海道作業療法士会 )  3 ( 1 ) 9 - 14  2021年02月

価値に沿った行動の実践により社交不安症状の軽減が認められた一例

村上 元, 森元 隆文, 西山 薫, 清本 憲太, 池田 望

作業療法の実践と科学 ( (公社)北海道作業療法士会 )  3 ( 1 ) 9 - 14  2021年02月

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作業療法において,支援の対象者の価値は考慮すべき重要な要因である.一方で,人は不安が強い場合に,本来自分が価値を置きたい行動とは異なり,不安を回避するための行動を選択しがちである.本事例報告では,社交不安症患者に対する認知行動療法を用いた面接を実施した.その過程において,患者と価値について検討を行い,加えて,価値に沿った行動の実践を促したことにより社交不安症状が改善する結果となった.結果から,支援の対象となる者の価値を支える支援を目指すこと,また,そのことを実施するタイミングも重要であることが示唆された.(著者抄録)

認知症カフェにおける家族介護者の自己開示とソーシャルサポートおよび精神健康との関連

横山 和樹, 宮嶋 涼, 森元 隆文, 池田 望

日本認知症ケア学会誌 ( (一社)日本認知症ケア学会 )  19 ( 4 ) 668 - 676  2021年01月

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認知症カフェは、家族介護者が日ごろの経験や悩みを話すことが保障された場である。本研究では、認知症カフェにおける家族介護者の自己開示とソーシャルサポートおよび精神健康との関連を探索的に明らかにすることを目的として、自記式質問紙調査を実施した。有効回答76人分の質問紙を分析した結果、認知症カフェにおける専門職・同様の経験をもつ他の家族介護者・地域住民への『心の支え』の自己開示量は、非親族からの手段的サポートの高さとの間に有意な相関がみられた。また、専門職・他の家族介護者への『介護の経験』の自己開示量は、精神健康の低さとの間に有意な相関がみられた。以上から、認知症カフェにおいて、希望や生きがい等の『心の支え』に関連するポジティブな話題を扱うこと、介護負担を抱えている家族介護者を早期に認知症カフェ等の社会資源に結びつけて『介護の経験』を語る場を保障することが重要であると考える。(著者抄録)

Development of mental health literacy scale for depression affecting the help-seeking process in health professional students

Soshi Kodama, Koichi Shido, Nozomu Ikeda

International Journal of Mental Health Promotion   23 ( 3 ) 331 - 352  2021年

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Despite depression being a global mental health disorder, many people with depression do not seek psychiatric help. In particular, it has been reported that only 15.7% of medical students seek treatment. A longer duration of untreated illness (DUI) leads to clinically poor results. To shorten the DUI, the mental health literacy (MHL) with regard to depression needs to be improved, although it is unclear which MHL components will improve the help-seeking process. Additionally, the existing MHL scale for depression is poorly validated for structural validity. Therefore, the purpose of this study was to develop an MHL scale for depression with verified reliability and validity (particularly structural validity) and verify its relationship with the help-seeking process. For this purpose, we adapted the mixed research method. First, we conducted a systematic literature review on MHL scales for depression to prepare a draft scale with content validity. Second, we conducted semi-structured interviews on MHL with outpatients with depression. Consequently, 78 questions on MHL for depression were extracted. Third, to develop our scale, we verified the reliability and validity of these questions with 782 health professional students. The sample size was 780 and data collection was performed by collective survey method. It was conducted in 2018 in Japan. To verify the factor structure, exploratory and confirmatory factor analyses were conducted. We also examined the internal consistency, test-retest reliability, and criterion-related validity. The exploratory factor analysis revealed a three-factor structure (recognition of depression symptoms, help-seeking preferences, and depression onset possibility) with 10 items. According to the confirmatory factor analysis results, the goodness of fit indicators had a good fit. The internal consistency, test-retest reliability, and criterion-related validity had good values. Fourth, the relationship between the MHL of depression and other factors affecting the help-seeking process was examined using structural equation modelling. The same sample size (as above) was applied. All three components of the MHL of depression influenced ‘recognition of depres-sion’. In particular, depression onset possibility had the greatest impact on the help-seeking process. Whereas, the MHL of depression had little or no influence on ‘intention of consultation’ and ‘psychiatric consultation’ (second and third steps of help-seeking). The largest influence on psychiatric consultation was the recommen-dation of consultation from others. The multiple correlation coefficients were the recognition of depression, R2 = 0.33; intention of consultation, R2 = 0.43; and psychiatric consultation, R2 = 0.36; and the model was agoodfit. This study identified the specific components of the depression MHL that influence the help-seeking process. Subsequently, it is necessary to provide specific MHL education to health professional students, their families, university staff, and teachers.

DOI

同様の疾患や障害をもつ人への自己開示量と情緒的支援ネットワークおよびリカバリーとの関連 精神疾患をもつ人を対象とした自己開示尺度を用いた検討

横山 和樹, 矢部 滋也, 森元 隆文, 池田 望

精神障害とリハビリテーション ( 日本精神障害者リハビリテーション学会 )  24 ( 2 ) 201 - 209  2020年11月

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精神疾患をもつ当事者が主体となって運営するピアサポート活動に参加者を対象に、同様の疾患や障害をもつ人への自己開示量と情緒的支援ネットワークおよびリカバリーとの関連について質問紙調査を行った。地域生活を送る精神疾患をもつ人43名(男性19名、女性23名、その他1名、平均年齢39.88歳、平均罹病期間12.69年)から回答を得た。診断名は統合失調症12名、双極性感情障害11名、うつ病エピソードもしくは反復性うつ病性障害7名などであった。全ての内容の自己開示量と情緒的支援ネットワーク認知との間に有意な正の相関が認められた。「生活状況」「自分の強み」「苦悩の経験」に関する自己開示量とリカバリーとの間に有意な相関があった。リカバリーのうち目標/成功志向・希望は、他の因子と比較して自己開示量との間に強い相関が見られた。「精神疾患と障害」に関する自己開示量とリカバリーの間に有意な相関はなかった。

認知症カフェに参加する家族介護者の介護負担とソーシャルサポートの関連

横山 和樹, 宮嶋 涼, 森元 隆文, 池田 望

日本作業療法学会抄録集 ( (一社)日本作業療法士協会 )  54回   ON - 17  2020年09月

【多職種チームケアの未来】作業療法士からみた多職種チームケアの未来と就労支援 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムと就労支援

大川 浩子, 池田 望

精神科 ( (有)科学評論社 )  37 ( 2 ) 147 - 151  2020年08月

成人期の自閉スペクトラム症者における被害妄想的観念とその関連要因の検討

村上 元, 西山 薫, 森元 隆文, 清本 憲太, 及川 直樹, 池田 望

日本認知・行動療法学会大会プログラム・抄録集 ( (一社)日本認知・行動療法学会 )  46回   201 - 202  2020年08月

成人期の自閉スペクトラム症者における被害妄想的観念とその関連要因の検討

村上 元, 西山 薫, 森元 隆文, 清本 憲太, 及川 直樹, 池田 望

日本認知・行動療法学会大会プログラム・抄録集 ( (一社)日本認知・行動療法学会 )  46回   201 - 202  2020年08月

認知症カフェにおける家族介護者の自己開示と精神的健康の関連

横山 和樹, 宮嶋 涼, 森元 隆文, 池田 望

日本認知症ケア学会誌 ( (一社)日本認知症ケア学会 )  19 ( 1 ) 231 - 231  2020年04月

認知症カフェに参加した家族介護者の主観的効果

宮嶋 涼, 横山 和樹, 森元 隆文, 池田 望

日本認知症ケア学会誌 ( (一社)日本認知症ケア学会 )  19 ( 1 ) 231 - 231  2020年04月

地方都市における"誰でも参加できるSST"の実践報告

村上 元, 森元 隆文, 三浦 由佳, 池田 望

作業療法 ( 一般社団法人 日本作業療法士協会 )  39 ( 2 ) 248 - 254  2020年  [査読有り]

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今回，地方都市において，"誰でも参加できるSST"を当事者と協働で実施する経験を得た．経過の中で，医療・福祉の枠外で立場に関係なく誰でも参加できるという場の構造の不安定さと，それ故に起こったトラブルやその前兆への対処など様々な課題はあったものの，その場に継続的に，かつ主体的に参加して新しい仲間づくりを行う者も多く存在した．このことから，医療・福祉の枠を超えて作業療法士が地域において実践を試みることで，当事者・家族を含む地域住民の健康やつながりの構築に寄与する可能性が示唆された．一方で，その実践には，運営スタッフとプログラムが開催される地域の支援者とのつながり，当事者との協働が必要と考えられた．

DOI CiNii