論文 - 橋本　恵理

感情障害者死後脳を用いた細胞内情報伝達系に関する薬理生化学的研究 cAMP産成系と分解系に関して

小沢 寛樹, 橋本 恵理, 斎藤 利和

精神薬療基金研究年報 ( (公財)先進医薬研究振興財団 )  ( 26 ) 93 - 97  1995年03月

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7名の単極性うつ病および年齢,死後経過時間をマッチさせた精神神経疾患の既往のない7名の対照群の死後脳を用いて膜標本を調製し,実験に供した。adenylate cyclase (AC)活性はGs機能(促進性条件),Giの機能(抑制性条件)をそれぞれ反映する条件下にて測定した。促進条件において基礎,Gpp(NH)p, forskolin,マンガン刺激AC活性はうつ病群で有意な低下を示した。抑制性条件下ではGpp(NH)pによる基礎AC活性からの抑制率はうつ病群にて有意に増加を示した。さらに,Phosphodiesterase Type 4に選択的に結合すると考えられる[3H]-rolipramを用いて膜標本における結合特性を検討したが,そのBmaxはうつ病群において増加傾向が認められた。即ち,うつ病群ではcAMPの生成機能の低下と分解機能の亢進傾向が示唆された

Alzheimer型痴呆(DAT)におけるGTP結合(G)蛋白質の量と機能の変化について

橋本 恵理, 小沢 寛樹, 斎藤 利和

日本神経精神薬理学雑誌 ( (一社)日本神経精神薬理学会 )  14 ( 2 ) 105 - 109  1994年04月

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azidoanilido GTP (AAGTP)結合実験では,対照群のGsに対するAAGTP結合量は側頭葉領域で328.6±34.8fmol/mg protein,頭頂葉領域で440.3±40.1fmol/mg protein, DAT群では側頭葉領域で220.7±9.5fmol/mg protein,頭頂葉領域で249.9±30.6fmol/mg proteinであり,対照群に比しDAT群では,両領域ともに有意な減少が認められた。またGsとGi/oのAAGTP結合量の比をとると,対照群では側頭葉領域で0.285±0.016,頭頂葉領域で0.31±0.030, DAT群では側頭葉領域で0.178±0.022,頭頂葉領域で0.19±0.028であり,DAT群で対照群に比べ両領域ともに有意な低下を示した

ヒト死後脳におけるGTP結合蛋白質の量,機能に関する加齢の影響

橋本 恵理, 小沢 寛樹, 斎藤 利和

日本神経精神薬理学雑誌 ( (一社)日本神経精神薬理学会 )  14 ( 2 ) 93 - 104  1994年04月

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大脳皮質(前頭葉,頭頂葉,側頭葉,後頭葉),扁桃体,尾状核の各領域について検討を行った。Immunoblottingでは加齢に伴う変化として全ての領域でGiの減少傾向が,大脳皮質ならびに扁桃体領域でGqの減少傾向が認められた。GsLは尾状核で有意に減少していたが,他の領域ではGsH, GsLともに有意な変化はなかった。Goは尾状核で有意な減少が認められたが,他の領域では有意な変化はなかった。一方,各G蛋白質の脳内部位別の違いとして大脳皮質領域と線条体領域の間ではGsHとGsLの存在比の差異が認められた。また側頭葉および後頭葉でGβの有意な減少が認められた。光親和型グアニンヌクレオチド類似体(AAGTP)結合実験では,各G蛋白質に対するAAGTP結合量はいずれの領域においても加齢との有意な相関は認められず,またGsとGi/oのAAGTP結合量の比はほぼ一定であった

うつ病死後脳におけるGTP結合蛋白質の量・機能の変化

斎藤 利和, 小澤 寛樹, 橋本 恵理

厚生省精神・神経疾患研究委託費研究報告書 感情障害の神経科学的成因及び治療に関する研究 ( 厚生省精神・神経疾患研究班 )  平成5年度   27 - 32  1994年03月

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単極性うつ病剖検例の大脳皮質各部,扁桃体,尾状核の組織をhomogenateして膜標本を作製し,蛋白電気泳動してG蛋白抗体(Gs,Gi,Go,Gq,Gβ)で免疫染色した.又,[32P]-AAGTP(P3(4-azidoanilido)-P1-51GTP)結合実験でG蛋白の機能をみた.その結,多くの領域でのGi減少,尾状核でのGo減少等,各部特異の変化が加令によってみられ,死因,性別等による差は認めなかった.機能面では,加令とAAGTP結合量との関係は認めなかったが,結合量の比はほぼ一定しており,G蛋白の量的変化を機能面で代償する調節機構が考えられる.うつ病では対照群に比してG蛋白量に差はなかったが,AAGTP結合ではGi/oが有意に増加していた

Rolipramのアデニル酸シクラーゼに対する影響 三環系抗うつ薬(amitriptyline)との比較

橋本 恵理

薬物・精神・行動 ( (一社)日本神経精神薬理学会 )  13 ( 6 ) 447 - 447  1993年12月

うつ病死後脳におけるGTP結合蛋白質機能の変化

橋本 恵理

薬物・精神・行動 ( (一社)日本神経精神薬理学会 )  13 ( 6 ) 448 - 448  1993年12月

ヒト大脳皮質G蛋白質に対するエタノールの効果

小沢 寛樹, 片村 能也, 橋本 恵理

アルコール研究と薬物依存 ( 日本アルコール・薬物医学会 )  28 ( 2 ) 49 - 53  1993年04月

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ヒト大脳皮質にて脳膜標本で蛋白質電気泳動(PAGE)上,32p-Azidoanilido GTP(AAGTP)が42K Da,40K Daにバンドが認められ,42K DaがGs(促進性G蛋白質)のγサブユニット,40K DaがGi(抑制性G蛋白質)のγサブユニットである事をG蛋白質に対する抗体を用いたWestern blottingにより同定した。大脳皮質の膜標本にエタノールを添加,AAGTP結合量はエタノール非添加に比し,側頭葉領域でGsγが131.8%,Giγが197.1%,頭頂葉領域でGsγが131.5%,Giγが182.5%と有意な上昇を示した

ラットのアルコール摂取量と脳内アデニル酸シクラーゼ系

斎藤 利和, 橋本 恵理, 芦沢 健

アルコール研究と薬物依存 ( 日本アルコール・薬物医学会 )  28 ( 1 ) 26 - 34  1993年02月

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AA・ANAラットの脳の各部位におけるアデニル酸シクラーゼ活性を測定した。AAラット前頭皮質におけるAC基礎活性及びGpp(NH)p刺激性AC活性は,ANAラットに比べて低く,前頭皮質norepinephrineニューロンとアルコール摂取量との関係が強く示唆された。こうしたselected rat lineのニューロンの機能の差異を明らかにすることを通じてアルコール依存症に対する遺伝的要因を生化学的に解明することはアルコール依存症の生物学的理解の上からも予防・治療の面からも重要と思われた

GTP Binding Proteins in Postmortem Human Brain

Eri Hashimoto, Hiroki Ozawa, Toshikazu Saito, Shinichi Hatta, Peter Riederer, Naohiko Takahata

Psychiatry and Clinical Neurosciences   47 ( 2 ) 413 - 413  1993年  [査読有り]

DOI PubMed

Alcohol consumption and brain adenylate cyclase system in rats: Brain adenylate cyclase activity in alcohol-preferring AA and alcohol. Avoiding ANA rats

T. Saito, E. Hashimoto, T. Ashizawa, H. Kamada, H. Ozawa, N. Takahata, C. J.P. Eriksson, K. Kiianmaa

Japanese Journal of Alcohol Studies and Drug Dependence   28 ( 1 ) 26 - 34  1993年  [査読有り]

PubMed

人死後脳におけるGTP結合蛋白質の加齢に伴う変化

橋本 恵理

薬物・精神・行動 ( (一社)日本神経精神薬理学会 )  12 ( 6 ) 383 - 383  1992年12月

Platelet adenylate cyclase activity in alcoholics

T. Saito, M. Watanabe, Y. Katamura, E. Hashimoto, A. Nabeshima, T. Ashizawa, N. Takahata

Japanese Journal of Alcohol Studies and Drug Dependence   27 ( 6 ) 623 - 628  1992年

PubMed

アルコール症の遺伝負因に関する実験的研究 AA・ANAラットの脳内アデニル酸シクラーゼ活性

斎藤 利和, 橋本 恵理, 芦沢 健

厚生省精神・神経疾患研究委託費研究報告書 アルコール依存の成因と病態に関する研究 ( 厚生省精神・神経疾患研究班 )  平成2年度   19 - 26  1991年03月

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AA (Alko, Alcohol)・ANA (Alko, Non-Alcohol)ラットの脳の各部位におけるアデニル酸シクラーゼ活性を測定した.AAラット前頭皮質におけるAC基礎活性と,Gpp(NH)p刺激性AC活性は,ANAラットに比べて低く,前頭皮質norepinephrineニューロンとアルコール摂取量との関係が強く示唆された

アルコールと脳の細胞膜機能

斎藤 利和, 橋本 恵理

医学のあゆみ ( 医歯薬出版(株) )  154 ( 13 ) 869 - 873  1990年09月

アルコールと細胞膜機能

医学のあゆみ   154   869 - 873  1990年